日本の抱えるプラスチック問題はなぜ起きたか?スターバックスのストロー廃止は上手くいく?

環境&食糧問題

今回は『”あなたのゴミ”その行方~迫る!「プラスチック危機」』(ガイヤの夜明け、2019年1月15日放送)をご紹介致します。

あなたは今なぜレジ袋を削減しなくてはいけないのか知っていますか?
今回は日本が抱えるプラスチックゴミ問題に焦点をあてます。

海ではマイクロプラスチック問題があり、魚の体内に入り込んでいる問題もでてきます。
また、スターバックスがプラスチック製ストローの廃止を発表しましたが、スターバックスのプラスチックゴミを減らす難しさに直面している様子をレポートしました。

プラスチック製品は半世紀で必需品に

プラスチックが大量生産・大量消費されるようになってから半世紀。軽くて丈夫、そして安いことから私たちの生活に欠かせな存在となりました。

一方でその手軽さから使い終えたらゴミ箱へという製品も少なくありません。4人家族が出すプラスチックゴミの量は2.5kgもあります。日本人一人当たりは年間32kg、これは世界第2位の量だそうです。レジ袋に関しては年間450億枚使っています。

日本で出たプラスチックゴミ、そのうち日本で処理できないものは海外に輸出されてきました。もっとも多い輸出先は中国で毎月7万トンで輸出量の約半分になります。しかし2017年末中国は環境汚染を改善するため輸入禁止に踏み込みました。

行き場を失った日本のプラススチックゴミをどうするのか

 日本のプラスチックゴミ排出量 (ここ40年で約3倍に増えた)
1980年 326万トン → 2017年 903万トン
(出展:プラスチック循環利用協会)

日本のゴミは40年前の約3倍の903万トンにものぼり、中国がプラスチックゴミの受け入れを禁止したため日本のプラスチックゴミは行き場を失ってゴミ処理業者の間で大問題になっている。

  中国にプラスチックゴミを輸出できなくなった影響(業種別の例)

🔴 ゴミを出す業者(例、家具のリサイクル会社、年間1500万円のゴミ処理コスト増の予定)

🔴 ゴミ中間処理会社 → ❌️ 中国への輸出ストップ(例:二百トン)
↓↓     ┗━ ゴミ分別装置をあらたに購入し、ゴミの受け入れ業者を増やす方向へ投資
🔴 ゴミ焼却会社(ゴミが増えて焼却しきれないので値上げ

行き場を失ったプラスチックゴミはゴミ焼却会社に頼んでもすでにフル稼働中でそれ以上は頼めない。そこでゴミ中間処理会社は自分でゴミ分別装置を購入(投資)して、ゴミ受託業者に受け入れやすいようにゴミの分別に赤字覚悟で力を入れ始めた。

魚の体に入り込むプラスチックゴミ

2018年8月に神奈川・由比ヶ浜に打ち上げられたシロナガスクジラは、体調10mの乳飲み子の赤ちゃんクジラでしたが、乳しか飲んでいない年齢にも関わらず胃の中にプラスチックゴミが見つかりました(国立科学博物館調べ)。調べたスタッフは「これは海の中のゴミが増えているためではないか」ということでした。

の胃の中にはすでに23年前からプラスチックゴミや漁網が見つかり、鯨はお腹にプラスチックゴミがたまるのでお腹がいっぱいになったと勘違いし、体が衰弱していきます。

東京農工大学・高田秀重教授によるマイクロプラスチックのお話

・東京湾のお台場の砂を水の中に入れるとプラスチックの破片が浮いてきます。5mm以下のプラスチックのことをマイクロプラスチックと呼んでいます。

プラ製品には化学物質(有害のものもある)が入っている

海水中には有害化学物質が溶けていてこれとマイクロプラスチックがくっつく

魚の体内に入る。

荒川に浮いているゴミの写真にはペットボトルが多かったのです。
リサイクルで9割は回収されるが1割は未回収(ペットボトルは年間200億本使われる)。

年間約20億本のペットボトルが未回収!(日本)


スターバックスの動き

スターバックスは2018年7月に世界の全店舗(約3万店)で使い捨てプラスチック製ストロー(年間10億本消費)の廃止を発表しました。

プロジェクト・リーダーである林山美樹(スターバックスコーヒージャパン購買部マネージャー)さんが取り組んでいる問題を番組はレポートしました。

🔵 泡を楽しむドリンクはフタの口を大きくした容器を使用して、ストローを使わないように工夫する。
→ 今春からこの容器を他のメニューにも導入

プラスチックストローに変わる3種類のストローがテスト

① 紙ストロー
→ 匂いがする。15分でフニャフニャになる。
② バイオプラスチック(トウモロコシなど主に植物が原料)
→ ストローを潰した後の戻りが悪い。少し柔らかすぎる
③ 生分解性プラスチック(微生物によって自然分解される)
→ 今までのストローに一番近い。長期保管すると勝手に分解してしまう。

*元々入っている有害な化学物質や海水からくっついていくるものが問題

荒川に浮いているゴミの写真にはペットボトルが多かったのです。
リサイクルで9割は回収されるが1割は未回収(ペットボトルは年間200億本使われる)。

スターバックス「プラスチックごみ」リサイクル実験

仙台市のスターバックスから集めた180kgのゴミ

リサイクル業者:フラペチーノの容器はベタベタしていてコンベアが汚れてしまったり、排水処理の負担が大きくなるので、実際のリサイクルに持っていくのは難しい

 リサイクルの工程 
プラスチックゴミ → 選別・破砕・洗浄など → リサイクル原料

 リサイクルで作られる新し製品 
プラスチックゴミ180kgから、搬送用のパレット5枚分が作れる。


Seigoの追記

プラスチックゴミのリサイクルは、またきれいなプラスチック製品として再使用されるのかと思いきや、実は搬送用のパレットなどのような食品とは関係ない製品になることがわかりました。

ここではペットボトルなどのリサイクルマークがついてキレイなボトルはどのようにリサイクルされるかは言及してませんでした。


どちらにしろペットボトルがまたペットボトルとして使われることがないのならリサイクルという言葉は適さない気がします。
「資源の再利用」というニュアンスの言葉が適しているのではないでしょうか。

ガラス瓶をなぜ使わないの?

私たちが使っていたガラスの牛乳瓶のリサイクルのほうがプラスチックの有毒な化学物質が発生しませんし、よほど良いのではないかと改めて考えてしまいました。

カリフォルニアのヘルシーな食料品店では、ガラス瓶に入った生の牛乳(熱処理なし)を買っていましたが、それは本当に美味しい牛乳でした。瓶をお店に返すとちゃんとその料金を返してくれるのでリサイクルも進みます。日本も瓶を使っていた昔に戻ればいいのな~と思います。

日本で手に入るガラス瓶を使った商品

ネットで購入できるスターバックスの製品

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