フンコロガシは何を転がしてる? 実は病原体の解毒に役立っていることが判明! (2019年)

ニュース/レビュー

フンコロガシが家畜の糞を土の中に埋める行動が、人間に有害な病原体の排除に役立っているという驚きの報告です。

このイギリス生態学会に出された発表では有機農業の土壌細菌がこの病原体の解読に大切だということも言っております。

この研究のレビュー(英文)がネットで公開されましたので、それを翻訳したものをここで紹介します。

また研究の原著論文はJournal of Applied Ecologyに出版され、オープンアクセスのため誰でも閲覧可能です(リンクを下に貼っておきます)。

ニュースタイトル「食品の安全性:フンコロガシと土壌細菌がヒト病原体リスクを緩和」

フンコロガシ(出典:Topi PigulaによるPixabayからの画像)


食品安全規制は、病原体を運ぶ野生生物や家畜を隔離するために、農地から生け垣や池などの自然生息地を避けるように農家に促しています。しかし、これは生物多様性を犠牲にする可能性があります。


Journal of Applied Ecology(応用生態学ジャーナル)誌に発表された新しい研究では、大腸菌や有害な病原体が人に広がってしまう前に、大腸菌などの有害な病原体を自然に抑制するフンコロガシと土壌細菌を農場にいるようにすることを奨励しています。

野生および飼いならされたブタの糞便は、畑の農産物を汚染し、食中毒につながることが知られています。野生または野生化したブタは、農場主がこれらの大型動物が出現する場所または時期を制御できないため、病原体を拡散する危険性が特にあります。

ワシントン州立大学で、博士論文プロジェクトの一環としてこの研究を主導したマシュージョーンズ(Matthew Jones)は、「農民はますます食品の安全性に関心を寄せています。誰かが遡って特定の農場の農産物から病気になった場合、それは彼らにとって壊滅的なものとなり得るものです」と述べています。

「その結果、家畜や野生生物の出現を避けるために、多くの農民が農地から自然の生息地を撤去し、花粉媒介者や他の有益な昆虫や鳥を受け入れる余地を減らしています」と彼は付け加えています。

フンコロガシ(出典:SchwoazeによるPixabayからの画像)


フンコロガシは地下に糞を埋め、病原体が生き残るのを困難にします。これが食の安全にどのように役立つかを研究するために、この昆虫学者はアメリカ西海岸にある70の農地でブロッコリー植え付け後の生育期に、ブタの糞を満載したいっぱいのバンをその農地に沿って走らせました。ブロッコリーは緑色の葉物野菜によく似ていますが、地面の近くで育ち、また人間が調理せずにそれを消費する可能性があるため、糞便汚染が疑われる作物です。

ブタの糞便は、フンコロガシがどれだけ早くやって来て、それが片付けられるかを観察するために使用されました。実験は、従来の農場有機農場家畜が居る農場居ない農場、それぞれで行われました。

有機農場は、多様な種類のフンコロガシを引き付けたように思われ、食中毒の病原体を感染させない点では最も効果的でした。従来の一般的な畑や牧草地に囲まれた畑では、あまり効果的ではなく、誤って導入されたスカラベカブトムシ(Onthophagus nuchicornis)の数が本来のフンコロガシの数を上回っていました。

ワシントン州立大学のウィリアムスナイダー(William Snyder)教授は、「我々は、有機農場では、一般的に従来の農場で見られるよりも早く糞を除去する種類のフンコロガシが育っていることを発見しました」と述べています。

フンコロガシは、糞便を食べて埋めたときに有害な細菌を殺す可能性があります。以前の研究から、これらの甲虫(こうちゅう)はその体内に抗生物質のような化合物を持っていることも示唆されています。

これらの発見を検証すべく、研究者らは現地調査で見つかった3つの最も一般的な種のフンコロガシを大腸菌で汚染された豚の糞便に曝露しました。7日間のラボでの実験により、繁殖行動の一環として糞便を埋めるフンコロガシのOnthophagus taurus 種とOnthophagus nuchicornis 種による大腸菌数の減少はそれぞれ 90%超と50%未満であったことが明らかになりました。

フンコロガシ(出典:Baynham GoredemaによるPixabayからの画像)


彼らはまた、有機農業土壌バクテリア内でより高い生物多様性を促進し、それが病原体の生存を減少させることを見出しました。

スナイダー氏は、「バクテリアは自身を毒するか、さもなければ自身と戦うことが知られており、そして同じことがここで起こっているかもしれない」と述べています。

これらの研究結果から、フンコロガシと土壌細菌は農場における人間の病原体の自然抑制を向上させ、殺虫剤の使用機会を減らし、より大きな植物や昆虫の多様性を促進することが示唆されています。

ジョーンズ氏は、「野生動物と家畜は、しばしば食品の安全性を危険にさらすものと見なされていますが、農場での生物多様性の減少は全く逆効果になる可能性があることが私たちの調査で示されています。」として、

「自然界には、病原体を素早く除去してくれるフンコロガシやバクテリアといった「清掃作業員」がいるようです。まずはこういった有益な昆虫や微生物を奨励するのが良いのかもしれません」と結論付けています。

引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Food safety: Dung beetles and soil bacteria reduce risk of human pathogens 19 March 2019

🔵 原著論文(オープンアクセス;全文を閲覧できます。):
Organic farming promotes biotic resistance to foodborne human pathogens
J Appl Ecol. 2019;00:1–11. DOI: 10.1111/1365-2664.13365
Matthew S. Jones, Zhen Fu, ・・・Jason M. Tylianakis, William E. Snyder

フンコロガシに関する書籍

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Seigoの追記

フンコロガシとは?

フンコロガシはアフリカにいる哺乳類のふんを食べるコガネムシの仲間です。

2〜4cmくらいの大きさです。日本でダイコクコガネとかがフンコロガシと近いですが、フンは転がしません。

でも違う種ですが、フンを転がす虫は日本にもいるようですよ。

ちなみにオーストラリアなどでは、牧場のふんを掃除するお仕事をしてくれてハエを防いでくれてたようです。

余談ですが、フンコロガシはロマンチックなのか? 天の川を道しるべに星空を眺めながら分を転がすのだそうです 😀

有機農場はフンコロガシも幸せになり病原体も少なくなる

フンコロガシが豚の糞を持っていって、それを土壌に埋めると有害病原菌が防げるそうですね。

フンコロガシさん、役立っていたのですね!

またここでさらに有機農場の良さも明らかにされたと言えます。

皆さん、高くても有機野菜や自然農法の野菜をみんながこぞって食べれば、売れるので値段は自然と下がり、スーパーが有機野菜ばかりになってくれるかもしれませんしね。

これこそが地球に優しく動物たちにも優しい、私たちが目指すべき未来かもしれません 😄

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