ビタミンD値を上げる(サプリ以外の)オススメな6つの方法は?【論文の裏付けデータあり】
今回は「ビタミンD値を上げる方法」について最新レビューを学術論文の引用付きでご紹介します。
HealthLine(ヘルスライン)からのレビュー記事(英文)を翻訳しましたので、ここで紹介させていただきます。
〔記事中の括弧内の数字は、その情報のもとになった引用文献のリンクが貼ってありますので、情報源を調べたい方リンクをたどって調べることができます。 ただし英語ですよ 😅〕
HealthLineでは以下の6番目に「サプリ(栄養補助食品)」が紹介されていますので、サプリ以外のオススメな方法は全部で6つ紹介されています。
この記事のもくじ
レビュータイトル「ビタミンDを増やす7つの効果的な方法」
英語原文の執筆者:Ansley Hill(2019年3月17日)
ビタミンDは強い骨を作り維持するなど、生きていく上で私たちの体に欠かせない栄養素です。ビタミンD不足は大きな健康問題として世界中で懸念されています。実際に、ビタミンD不足は世界中の13%の人に影響を与えていると言われています。 (1)
ビタミンDとは?
ビタミンDは脂溶性ビタミンで、主にカルシウムの吸収を助け、骨の成長とミネラル化を促進します。さらに、ビタミンDは免疫や消化器、循環器、そして神経系のさまざまな機能にも関与しています (1)
新たな調査では、ビタミンDがうつ病や糖尿病、ガン、心臓病などあらゆる病を防ぐ可能性があることが示唆されています。しかし、ビタミンDとこのような病気の関係性はまだ不明なところが多いです。 (1)
どのくらいの摂取が必要?
ビタミンDはどのくらい必要なのか科学界でも重大な物議が醸されています。全米医学アカデミーはほとんどの人には1日600-800 IU(国際単位)のビタミンD で充分と考えていますが、一方で全米内分泌学会は1日当たり1,500-2,000 IUを推奨しています (2, 3)。
推奨摂取量(RDI)は全米医学アカデミーの推奨に基づいて、現在、成人向けの1日の参照摂取量が600-800 IUになっています。(2)
具体的に、ビタミンDの最適な血中濃度が決められているわけではありませんが、20〜50ng/ml辺りが良いでしょう (4, 5, 6)。
さらに、全米医学アカデミーは1日に4000 IUまでのビタミンDの摂取が多く人には安全で適量であると勧めています。しかし、人によっては血中濃度を上げる為にそれ以上の摂取量が一時的に必要になることもあります (4)。
害になることはめったにないと思いますが、専門家からの指示がない限り4000IUを超えるビタミンDの長期摂取は避けた方が良いでしょう。
要約
カルシウム摂取や骨の健康を考えるとビタミンDは欠かせません。特に規定などがあるわけではないですが、奨励されている一日のビタミンDの摂取量は600-2000IUあたりになります。しかし、血中濃度を考慮すると、さらなる量が必要な人もいるでしょう。
1. 時には日の当たる場所へ
太陽の光を浴びるとビタミンDが作られます。このことからビタミンDは「太陽のビタミン」とも呼ばれています。皮膚の中の一種のコレステロールがビタミンDの前駆体の役割を果たします。このコレステロールが太陽のUV-Bに当たることでビタミンDが生成されます。
実際に日光から得られたビタミンDは、食べ物や栄養補助食品から得られるビタミンDの2倍の時間体内を循環することがあります(1)。
しかし、体が作ることができるビタミンDの量は様々な場合によって異なります。
肌のトーンと年齢
肌のトーンが暗い人は明るい人よりも、ビタミンD産出する為に日を浴びる時間を作った方が良いでしょう。なぜなら、肌が暗い人ほどビタミンDの産出を抑制してしまうメラニンが豊富だからです (7)。同時に、年齢も影響を及ぼします。年を重ねれば重ねるほど、肌の中のビタミンDの産出は効率が悪くなります (8)。
地理的な位置と季節
赤道に近くなると 多くの日光を受けて ビタミンDの生成が盛んになります。逆を言うと、赤道から離れれば離れるほど比例的に、十分な日を浴びることが難しくなります (9)。日焼け止めと衣服
ある種の服と日焼け止めはビタミンDの産出を止めるとまではいかなくても、遅らせる可能性があります (1)。太陽光に皮膚をさらけ出し、皮膚ガンになってしまうのは良くないですが、ほんの少し日を浴びるだけでも体はビタミンDを生成することができます。
正式に推奨されているわけではありませんが、肌が明るい人はほんの8-15分太陽にさらすだけでビタミンDが十分に作れるという情報もあります。肌が暗めの人はもう少し長く浴びる時間が必要みたいです (10)。
要約
太陽のUV-Bに当たることで、あなたのお肌はビタミンDをたくさん生み出します。しかし、この過程に影響する要因は様々です。
2. 脂肪の多い魚や海産物を食べること
ビタミンDのもっとも豊かな自然の食品供給源に脂肪に富んだ魚や海産食品があります。実際、缶詰の鮭の1人前 3.5オンス(100グラム)はビタミンDを最高386IU 、つまりRDIの約半分まで供給できます (11)。
海産食品の正確なビタミンD 含有量はタイプと種によって変わる可能性があります。例えば、養殖サケは天然サケのたった25%の量しか含まないことが示唆されている研究もあります (12)。
その他に、ビタミンDを豊富に含んでいる魚は以下になります。
・マグロ
・サバ
・生食用カキ
・エビ
・イワシ
・アンチョビ
また、これらの魚の多くは心臓に良いオメガ3脂肪酸をたくさん含みます (13)。
要約
脂肪の多い魚や海産物はビタミンDをたくさん含む食べ物です。しかし、ビタミンの含有量はそのタイプや種によって異なります。
3. よりたくさんのキノコを食べること
キノコはビタミンDを含んだ唯一の植物由来の食べ物です。
人間同様、キノコもUVに当たることによりビタミンDを作ります。人間はD3やコレカルシフェロールとして知られている一種のビタミンDを産出しますが、一方でキノコはD2やエルゴカロシフェロールといったビタミンDを生み出します(14)。
どちらのビタミンDも血液循環しているビタミン Dの値を高めることができますが、ある研究によると、ビタミンD3はビタミンD2よりも、より効果的かつ効率的にビタミン値を上げることが示唆されています(15)。
ビタミンDの含有量はキノコの種類によりますが、野生の舞茸のような特定の品種では、一食分の3.5オンス(100グラ厶) 当たり最大2,348IUとなります。これはRDIのほぼ300%に当たります (11, 16)。
日光に晒すことにより、野生のキノコは栽培キノコよりもたくさんビタミンDを含みます。しかし、UV光に晒されたキノコも買うことができます。
ただし、有害なものを避ける為にも野生のキノコを慎重に見極めたり、ファーマーズマーケットや食料品店など信頼できるサプライヤーから購入する必要があります。
要約
人間のように、キノコもUV光に晒されるとビタミンDを産出します。野生のキノコ、あるいはUV光を浴びた栽培キノコのビタミンDの値はとても高いです。
4. 食事に卵黄を取り入れること
卵黄はビタミンDのもう一つの供給源です。食生活にも簡単に取り入れやすいのではないでしょうか。その他の多くの自然食品のように、卵黄にはあらゆるビタミンDが含まれます。
外に出入りせず、従来の方法で育てられたニワトリは普通RDIの2-5%を含む卵しか生みません (17)。
しかし、どのくらいそのニワトリが外に出ているのかにもよりますが、自然の草や虫を食べて育ったニワトリや、放し飼いのニワトリが生んだ卵が最大4倍以上(最大20%)のRDIを含むことを示している研究も中にはあります (17)。
また、ニワトリの餌もビタミンDの含有量に影響を与えます。ビタミンDをたくさん含んだ穀物を与えられたニワトリはRDIの100%を上回る卵黄を生む可能性があります (18)。
要約
外に出入りするニワトリは屋内にずっといるニワトリよりも日光を浴びるので、放し飼いのニワトリの卵や自然の草や虫を食べて育ったニワトリの卵はたくさんのビタミンDを含みます。
5. ビタミンD強化食品を食べること
ほとんどの食べ物には本来ビタミンDがあまり含まれていませんので、この栄養価を高めるためにもビタミンDを食物に加えることがあります。ただ、ビタミンD強化食品かどうかは国によって違いますし、加えられている量もブランドや種類によって異なる可能性があります。
一般的なビタミンD強化食品は以下のようなものになります。
・牛の牛乳
・豆乳やアーモンドミルク、ヘンプミルクといった代替ミルク
・オレンジジュース
・インスタントなシリアル
・ある種のヨーグルト
・豆腐
その食べ物がビタミンD強化されているか否かが不明な場合は、成分リストを確認しましょう。
要約
栄養摂取の為、ビタミンDはよく牛乳や朝食シリアルといった主食に加えられます。
6. 栄養補助食品を摂ること
多くの人にとって、栄養補助食品でビタミンDの適量を摂取するのがベストな方法かもしれません。ビタミンDは生物学上、主に2種類に分けられます。D2(エルゴカルシフェロール)とD3(コレカルシフェロール)です。
通常は、D2は植物由来のもので、D3は動物由来のものです (15)。
調査ではD3がD2よりも大いに効果的で、ビタミンD値を全体的に上げ、維持することが示唆されています。ですので、D3が使用されているサプリメントを探すと良いでしょう (15)。
さらに、独自に検査された品質の高いサプリメントを購入することも重要です。中にはアメリカのように栄養補助食品を規制しない国もあり、そのことは栄養補助食品の品質に悪影響を及ぼす可能性があります。
米国薬局方(USP)、インフォームドチョイス、ConsumerLab.com、あるいは禁止物質コントロールグループ(BSGC)といった第三者機関で純度と品質の為の検査がなされたサプリメントを選ぶのが最も良いでしょう。
< 投与量 >
ビタミンDサプリメントの投与量はそれぞれ異なります。とは言え、必要な量はあなたの現在のビタミンD値によるのです。
大抵の人にとって、健康な状態を維持するのに安全だと考えられる一日の投与量は1000〜4000IUです (4)。
ただし、ビタミンD値が非常に低い人や日を浴びる機会が少ない人などはさらに多くの投与量が必要になるかもしれません。
このような理由もあり、適切な投与量を確実に摂取する為にも医療専門家にあなたのビタミンD値を検査してもらうと良いでしょう。
< ビーガン用のサプリメント >
ビタミンDサプリメントの大半は動物性のものなので、ビーガンにとっては不向きかもしれません。しかし、ビーガン向けのビタミンDサプリメントもあります。
ビタミンD2は植物性のものなので、D2サプリメントがビーガンフレンドリーですし、色々なところで入手できます。
ビーガン向けのD3はD2ほど一般的ではありませんが、コケ類から作れることが可能です。
大抵は専門の健康食品のお店や、オンラインで見つけることができるようです。
要約
食べ物や日光からビタミンDを十分に摂取できない場合に、サプリメントが必要とされます。
サプリメントで補う前に自分のビタミンD値はどれくらいなのか確認するのが適切な投与量を取る上で最も良い方法でしょう。
7. 紫外線ランプを試してみること
コストがかかりますが、紫外線B波を放射するランプもビタミンD値を上げてくれるでしょう。太陽光線の紫外線B波に肌をさらすと、ビタミンDを生み出すことができます。紫外線ランプは太陽に近い働きをするので、日に浴びるのが地理的に難しかったり、屋内で過ごす時間が圧倒的に多い人にとっては特に便利でしょう。
紫外線はすでに何十年間も皮膚のさまざまな症状の治療に利用されてきましたが、ビタミンD値の改善策として市場に出るようになったのはつい最近のことです (19)。
紫外線を浴びすぎると肌が焼けてしまうので、このように新しく市場として出た発明品の安全性への懸念が重要です。
通常は、一回につき15分以下に留めたほうが良いでしょう。
要約
ビタミンDの産出を促すのに紫外線B波を放射するランプを買うのも良いでしょう。
しかしコストがかかりますし、一度に15分以上使ってしまうと危険になる可能性もあります。
最後に
ビタミンDは必要不可欠な栄養素ですが、世界中の多くの人は不足しています。とは言っても太陽をより多く浴びたり、ビタミンDが豊富な食べ物を食べたり、サプリメントを取ったりすることでビタミンD値は上げられます。
不足に心当たりのある人は、自分のビタミンDはどれくらいなのか確認してもらう為に医療関係者に相談してみましょう。
引用レビュー
🔵 英語ニュース:7 Effective Ways to Increase Your Vitamin D Levels(Healthline)2019.3.17Seigoの追記
ビタミンDはラノリンというウールに覆われた動物の皮脂腺から分泌されるグリースが原料というのが多いようです。(え?羊のあぶら汗^^;)
吸収率が相当悪いんでしょうかねー
ネットから手に入る高濃度のビタミンD3(iHerb)
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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