動脈硬化を防ぐ(リコピンではない)トマトの栄養素とは?加熱するとダメ! オススメレシピ【林修の今でしょ!講座】
林修の今でしょ!講座
2018年8月21日(火) 19時00分~21時48分
血管を強化!「トマト」驚きの健康パワーを解明
今回はその正体と、それを効率よく体に取り入れるレシピを紹介させていただきます。
講師:永井竜児 先生(東海大学・教授)
この記事のもくじ
トマトに含まれる動脈硬化の要因となる脂質の代謝を改善する栄養素とは?
答え:エスクレオサイドA 研究結果
動脈硬化になった3匹のマウスに3ヵ月間次のような違うエサを与えた。
A. 普通のエサ
B. エスクレオサイドA(50mg)を加えたもの
C. エスクレオサイドA(100mg)を加えたもの
結果の断面を見てみるとAのマウスは血管の周りに脂肪の蓄積(動脈硬化)が認められましたが、エスクレオサイゴA(100mg)を加えたえさは脂肪の蓄積が減っていました。
脂肪の面積:A>B>C、よってエスクレオサイドA(100mg)を与えたえさが一番動脈硬化を抑えられました。
〔データ提供:永井竜児 先生(東海大学・教授)〕
摂る量は?
エスクレオサイドAの1日の摂取量はミニトマト2〜3個がオススメ。少しずつ毎日摂取するのが効果的です。
エスクレオサイドAを効率的に摂るには切ったトマトにオリーブオイルをかけて食べると、エスクレオサイドAは油に溶けますので腸での吸収率がアップします。
エスクレオサイドAは熱で分解されてしまう 😔
注意
エスクレオサイドAは加熱すると分解してしまいます。80度までなら大丈夫ですが、100℃以上の加熱で大幅に減少します。市販のトマトジュースは100℃以上の高圧・加熱殺菌してるので、エスクレオサイドAはほとんど入っていません。(自宅で作ったトマトジュースは加熱しないのでOK!)
クイズ:それではリコピン(加熱料理)とエスクレオサイドA(非加熱料理)の両方を摂るのに適した料理法は?
答え:加熱したトマトと非加熱のトマトの両方が食べられるレシピ<トマト生産量日本一である北海道のある農家では、リコピンとエスクレオサイドAを効率よく摂っていました>
– トマトや玉ねぎなどの刻んだ野菜を電子レンジで加熱。
– そこの加熱していない生のトマトを豆乳。
暖める野菜は別に調理することでエスクレオサイドAが失われることはありません。ここでオリーブオイルも加えて、リコピンの吸収率もアップします。
– そこへ素麺を加えて「冷静トマトそうめん」の出来上がり。
– –Aが失われることはありません。ここでオリーブオイルも加えて、リコピンの吸収率もアップします。
廣田孝子 先生の冷凍トマト㊙レシピ
– 冷凍庫にトマトをいれカチカチに凍らせすり下ろす。
(すり下ろす事でリコピンやエスクレオサイドA効率よく摂れます)
– おろしたトマトを素麺のおだしの中にいれる。
– 素麺をおだしの中に入れて食べると冷たくてサッパリしてて美味しいとのこと。
⭐️ エスクレオサイドAはトマトのほぼ全ての部分に含まれていて、やや外皮に多いです。トマトの中の赤くない緑っぽく見える部分にもあります。
リコピン
リコピンの2つの作用(永井先生より)
① 血管は老化とともに酸化が進み、血液の流れが悪くなるなど機能がどんどん衰えてしまいます。トマトに含まれるリコピンは酸化を防ぎ若々しくしてくれる働きが期待できるのです。② さらに血管の詰まりを防ぐ善玉コレステロールを増やしてくれるという嬉しい働きもあります。
実験結果
普段の食事と一緒にトマトを1日1個半程度を1ヵ月間食べ続けたところ血中の善玉コレステロールの濃度が約15%上昇しました(下のグラフ参照)
引用文献:論文のサマリーを読みたい方はこちらからどうぞ(英文;NCBI-PubMed)
リコピンに関する豆知識
⭐️ リコピンは皮に多く含まれている。⭐️ トマトは赤ければ赤いほどリコピンは多い。
リコピンの吸収量は朝が一番良い(下のグラフ参照)
新井恵理那さんの質問:ではどうしてこんなに圧倒的に朝の摂取が良いか?(なぜ朝に摂取するとリコピンの効率が良いか?)
永井先生:寝てるときは飢餓状態ですので、その時に栄養素が入ってくるので吸収性が良いのではないかと(朝は空腹状態のため栄養素の吸収率がUP)
朝に出かける前(運動する前)にトマトを食べるのがいいです。
林修氏:でも今後ランチバイキングのサラダを一生懸命トマトを並べている人を見ると「あー、この効率じゃ」と思ってしまいますよ。
伊集院光氏:「モーニングなら」って(笑)
⭐️ トマトと一緒にオリーブオイルをとるとリコピンの吸収がよくなり、リコピンの血液中濃度が1.6倍になる(約305→490 nmol/L)
引用文献:Fielding JM. et al. ClinAsia Pac. J. Clin. Nutri.,14(2):131-136(2006)
永井先生:リコピンは脂溶性物質ですので油と混ざると吸収率がより高まります。
⭐️ トマトとオリーブオイルと一緒に玉ねぎやニンニクなどのユリ科の野菜と調理することでリコピンがさらに体に吸収されやすい形になる。(イタリアのトマト料理に良くある)
⭐️ トマトが苦手な人には、ドライトマトでもリコピンはぜんぜん分解されてないのでそちらを食べてもいいです。またトマトジュースやケチャップでもリコピンは全く分解されてませんでの大丈夫です。ただケチャップは摂りすぎるとカロリーが過剰になるので注意が必要です(砂糖も多い)。
⭐️ リコピンの1日の推奨される摂取量
– トマトなら2個半
– トマトジュースはコップ1杯〔160mL〕
– ケチャップなら大さじ4杯
まとめ
🔵 リコピンは善玉コレステロールを増やしてくれるので「血管を老けさせない」効果があり、加熱料理で吸収率アップ。オリーブオイル(油類)と一緒に食べるとさらに吸収効率が上がります。
🔵 動脈硬化を減らす作用をもつエスクレオサイドAを摂るには生のトマトがオススメで、加熱したトマトと一緒にとることでリコピンとエスクレオサイドAが同時に効率よくいただけます。
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20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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