糖尿病の少ない愛知県は赤みそを, 心筋梗塞の少ない島根県はサバと〇〇ミを常食! その効果と理由は?
病気ごとの死亡率や患者数の都道府県ごとのランキングがあります(厚生労働省が発表)。
これによると「骨粗しょう症」になりにくい県第1位は奈良県で、患者数は10万人中20人のみです。
一方、最下位の東京都は10万人中760人もの患者がいます。
奈良県は「骨粗しょう症」の予防に効果的なカルシウムが豊富に含まれる牛乳の消費量が全国1位。
奈良県は戦後から県全体で酪農を推進し牧場が多く、また大手牛乳メーカーが拠点を置いていたため牛乳の流通量が多かったのです。その影響もあり現在も奈良県民は牛乳をよく飲むと言われています。
今回はさらに「糖尿病」と「心筋梗塞」の少ない県について紹介させていただき、なぜ少ないかの理由を専門家の方から解説していただきました。
専門家:上野俊昭 先生(東京都健康長寿医療センター)
杉石宗隆 先生(杉石病院(武豊町) 院長)
この記事のもくじ
クイズ:糖尿病になりにくい県は?
答え:愛知県《 ※番組で紹介されたデータは「糖尿病になりにくい県」ではなく「糖尿病が原因で亡くなっている数」の一番少ないのが愛知県でした。番組では糖尿病で死んでいる人が少ない県を糖尿病になりにくい県として紹介していましたので注意が必要です。Seigo 》
第1位: 愛知県 7.7人/10万人
最下位: 青森県 17人/10万人
《 番組の冒頭では「糖尿病患者は5人中1人」と言っていましたが、このデータは「10万人に約10人」と少なすぎなので、推定患者数ではなく糖尿病が原因で亡くなっている数」だと考えられます。Seigo 》
愛知県の中でも一番糖尿病で亡くなる人が少ないのが武豊(たけとよ)町でした。( 2.3人/10万人
)
クイズ:武豊(たけとよ)町はなぜ糖尿病で亡くなる人が少ないか?
答え:赤味噌(八丁味噌)を一番とっているため武豊(たけとよ)町には「赤みそ」の醸造所が6ヵ所もあり、愛知県の中でも特に「赤みそ」の消費量が多いのです。
愛知県武豊町のある家庭の例:
– アイスも赤味噌入り(ネットから購入できます)
– チャーハンは「醤油」の代わりに「赤みそのタレ」を使う
– ナス炒めの味付けに赤みそ
– サラダのドレッシングに赤みそ
クイズ:なぜ赤みそは糖尿病に対して予防効果があるか?
上野先生:「赤みそ」に含まれる「メラノイジン」という成分が糖分の吸収を抑えてくれます。そのため糖分の多い食事をとっても急激に血糖値が上がることがないので糖尿病を予防する効果があります。
「白みそ」や「茶色のみそ」にも「メラノイジン」は含まれますが、「赤みそ」は圧倒的に「メラノイジン」の量が多いのです。みそが熟成される間に「メラノイジン」ができますが、熟成期間には次のように差があります。
「白みそ」 約2週間
「茶色のみそ」信州みそなどの 約6ヵ月
「赤みそ」 約2年
番組による実験
実際に50代の女性に1日目は「白みそ」、2日目は「茶色のみそ」、3日目は「赤みそ」の味噌汁を飲んでもらい血糖値を測定しました。
「白みそ」 90→124
「茶色のみそ」信州みそなどの 98→114
「赤みそ」 95→96
(30分後の血糖値)
赤みそを飲むとほとんど血糖値が変わらなかった。
赤みそは塩分が高いですがそれは気にしなくていいですか?
上野先生:みそに含まれる「大豆ペプチド」には血圧を下げる効果があります。「塩」の血圧を上げる効果より、「大豆ペプチド」による血圧を下げる効果の方が大きいため、結果的に血圧が下がることになります。⭐️ ⭐️ ⭐️
日本人の死因第2位は「心筋梗塞」です。年間およそ4万人もの方が「心筋梗塞」で死亡しています。主な原因は、糖分や脂肪分の多い食事の摂りすぎといわれています。
クイズ:心筋梗塞になりにくい県は?
答え:島根県第1位:島根県 9.1人/10万人(松江市 6.2人/10万人)
最下位:福島県 25.7人/10万人
(厚生労働省/人口動態統計特殊報告、過去15年分の統計より算出)
クイズ:なぜ島根県松江市は心筋梗塞になりにくい?
秘密は島根県でよく食べられる2つの食材のようです。1つ目の答え:サバ
島根県は「サバ」の漁獲量が多く、松江市は一世帯当たりのサバ消費量全国第1位の市区町村です。
実際、松江市在住のあるお宅では次のような料理を好んで食していました:
– サバカレー〔炒めたゴーヤ、夏野菜、焼きサバ〕
– サバの南蛮漬け(イワシの南蛮漬けはよくありますが)
– サバの滝田揚げ
– サバの塩麹焼き
– サバの味噌煮
– シメサバ
なぜ「サバ」は心筋梗塞予防に効果的なのか?
上野先生:「心筋梗塞」は血液の中に脂肪分や糖分が増えることで血管が傷つき、そこに悪玉コレステロールがたまって血液の流れが悪くなり、心臓に血液がいかなくなる病気です。サバには「EPA」が豊富に含まれていて、この「EPA」が血管にこびりついた悪玉コレステロールを溶かしてくれます。
そのため血流がよくなり、心筋梗塞の予防に効果があるのです。
心筋梗塞になりにくい県の第2位と3位は熊本県と佐賀県ですが、やはりサバをよく食べる県として知られています。
クイズ:島根県松江市で心筋梗塞予防に効果的なもうひとつの食材は?
答え:シジミ松江市の西に位置する宍道湖(しんじこ)は全国有数の「シジミ」の産地。そのため、松江市はシジミの一世帯当たりの年間消費量が日本一です。(2216g, 2位は青森で 792gなのでずば抜け(3倍)て多い。)
実際、松江市のあるお宅では:
– 冷凍庫になんと5kgもの「シジミ」がありました(2~3日でなくなるそう)
– シジミの「酒蒸し」
– シジミの「湯豆腐」
– シジミの「パスタ」
クイズ:なぜ「シジミ」は心筋梗塞予防に効果的なのか?
上野先生:シジミには「オルニチン」という成分が入っていて、血液から脂肪や糖を血管の外に出してくれる作用があるため、心筋梗塞の予防になるのです。※番組による復習ページも読みやすいです:
– この差って何ですか? 2018年9月4日放送分
Seigoの追記
これまでサバ料理は京都や屋久島でも出てきましたね! 興味がある方もおられるかも知れませんので記事のリンクを下に貼っておきます。20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
《もっとくわしいプロフィールをみる》
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