メチルパラベンは肌にどのように影響するか? 発がんの危険性も!?
化粧品に添加されているメチルパラベンは、肌が敏感な方にはかゆみや肌荒れの原因になると言われています。
今回はそんな物質がどうして入っているのか、入っていない化粧品あるかなどを取り上げていきます。
この記事のもくじ
メチルパラベンはなぜ添加されているの?
食品を製造してスーパーなどの量販店で販売する場合は、製造してからお客さんの口に入るまでには時間がかかってしまいます。その間に腐敗したり品質が劣化しないように、防腐剤を添加するのが一般的です。化粧品の場合も同じことが言えます。化粧品の美容成分である、コラーゲンやヒアルロン酸、アミノ酸やセラミド、グリセリンなどは雑菌が繁殖しやすいのです。
1~2ヵ月使う間に、手に着いた雑菌や空中に浮遊する菌が容器に入り込んで繁殖します。
そこで品質の劣化を防ぐために、メチルパラベンなどの防腐剤を添加するのです。
パラベンとはどのような物質なの? 有害なのでは?
パラベンとは、「パラオキシ安息香酸エステル」という物質で、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルパラベンの5種類があります。これらを総称して「パラベン」と呼んでいます。安全性や防腐効果の面から、メチルパラベンが使われる場合が多いようです。
パラベンのいろいろな呼び名
🔴 メチルアパラベン
🔴 パラオキシ安息香酸エステル
🔴 4-ヒドロキシ安息香酸メチル
🔴 4-ヒドロキシメチルエステル安息香酸
メチルパラベンは、ショウジョウバエ食用培地の殺菌剤として一般的に使用されています。またメチルパラベンは高濃度で毒性があり、エストロゲン様効果(ラットにおいてエストロゲンと似た活性をしめしまた抗アンドロゲン活性をもつ)、さらに低濃度でショウジョウバエの幼虫および蛹期の成長速度を遅くします(引用:米国Wikipedia – Methylparaben)。
内分泌かく乱物質としての懸念
しかし、1990年代に欧米諸国で環境ホルモンが内分泌かく乱性があるとの問題提起をしたことから、パラベン類も人体に悪影響を及ぼす可能性があると指摘されました。これを危惧する消費者の要望を受けて、欧米ではパラベンフリー化粧品の販売が始まったのです。日本でもパラベン類はアレルギーを引き起こす可能性があるということで、「表示指定成分」として表示が義務づけられました。そして2001年から厚生労働省の発足と同時に、化粧品は全成分表示になったのです。
パラベン類としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンが、単独または組み合わせて使用されています。(化粧品基準では、パラベン類の使用量は1.0%以下となっていますが、市販の化粧品中には、0.01~0.5%程度が添加されているようです。
いくつも化粧品を使えば総使用量は増える
それぞれの製品への添加量は低いのですが、化粧水、乳液、美容液、クリームなどと基礎化粧品を重ねて使っていくと、肌の上には結果的に多くのパラベン類が重なってしまうことになるのです。さらに、人によっては日焼け止めやファンデーションなどを使うと、さらにパラベン類が重なって行きます。少量ならまだしも、いろんな製品を重ねて長い間肌に塗り続けると、肌荒れが起こったり痒くなったり発疹ができたりとパラベンアレルギーを起こしてしまうのです。急激な炎症を引き起こせば気が付きますが、何だか肌の調子が悪いというようなゆっくりとしたアレルギー状態に陥ることがあるのです。
しかし、1980年に厚生労働省は「人によっては肌トラブルが起こる可能性が高い物質」(表示指定成分)に指定し、化粧品には表示が義務づけられました。現在では全成分表示となっていますが、その当時からなんとなく肌に厄介な物質とされていました。
日本の2つの研究機関が発見したメチルパラベンによるDNAの損傷
米国のWikipedia(ウィキペディア)とHealthline(ヘルスライン)というレビューサイト(英文)にはこの事実が記述されていますが、日本のウィキペディアには記述がありませんでした。ここでは、その情報を和訳して要点をご紹介致します。 主な研究結果
🔴 メチルパラベン →(太陽光をあてる)→ 3-ヒドロキシメチルパラベン(MP-3OH)の生成 → DNAの損傷を導いた(インビトロアッセイ)
🔴 また細胞の還元剤であるNADHはDNA損傷を約5倍増強した。
以上のような結果によりメチルパラベンを塗った肌に太陽光(紫外線を含む)が当たると光生成物としてMP-3OHが生成され、それがDNAが損傷(切断される)を与えるという結果が出ているそうです。これは発がんを引き起こす可能性もあると研究者はおっしゃっておりますので、メチルパラベンを使った化粧品を肌が太陽に当たる場所に使う時は注意が必要になるということになります。
以上のようなメチルパラベンによるDNAの損傷は3つの研究機関(京都府立医科大学, 同志社大学, 名城大学)により認められており、以下にその2つの参考文献を示します。
🔴 Combined activation of methyl paraben by light irradiation and esterase metabolism toward oxidative DNA damage.
Chem Res Toxicol. 2008 Aug;21(8):1594-9. doi: 10.1021/tx800066u. Epub 2008 Jul 26.
Okamoto Y, Hayashi T, Matsunami S, Ueda K, Kojima N.(京都府立医科大学, 同志社大学)
Toxicology. 2006 Oct 3;227(1-2):62-72. Epub 2006 Jul 28.
Handa O, Kokura S, Adachi S, Takagi T, Naito Y, Tanigawa T, Yoshida N, Yoshikawa T.(名城大学)
メチルパラベンに発がん性は認められるか?
上記の論文によりますと、メチルパラベンにUVを照射するとDNAを損傷する活性をもつ3-ヒドロキシメチルパラベン(MP-3OH)が発生することがわかっています。研究者は論文の結論として、「発がんを含む皮膚損傷を引き起こす可能性がある」とおっしゃっておりますので、メチルパラベンを使用する私たち消費者は、発がん性について十分に注意を払う必要があるでしょう。
メチルパラベンの入った製品は、日本の高級ホテルのスキンクリームにも入っているほど、どこの化粧品にも入っています。私はクリームやシャンプーなどは、パラベンフリーのものを持参するようにしています。
<楽天で売っているパラベンフリーシャンプー>
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パラベンフリーの化粧品はどこがオススメ
米国では簡単にパラベンフリーの化粧品がたくさん販売されていますが、日本ではあまり見たことがありません。(最近パラベンフリーは増えてきているとは思いますが。)
私のオススメはアムリターラという自然素材を生かして化粧品を作っている新しい会社です。「アンチエイジングの鬼」で有名な方が化粧品の開発に携わったので信頼性も抜群に高いです。
アムリターラの商品のリンクを見つけましたので4点ほど貼っておきます。
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フェノキシエタノールの毒性の記事も書きました
パラベンが入っていなくてもフェノキシエタノールが入っている化粧品があります。フェノキシエタノールについては次の記事でまとめました。
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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