牛乳を50cc飲んだだけで乳がんのリスクが上昇!? 2〜3杯でリスクは80%に増加 【2020年最新論文】
牛乳は乳がんの発症に関係があるという研究結果が出ていますが、メディアによりそれらの情報はなかったものにされております。今回はさらに研究が進み、牛乳が飲む量が多いほど乳がんにかかりやすいことが明らかにされました。
最低の量は牛乳カップ4分の1、つまりたった50cc (mL) の牛乳を毎日飲んだだけで乳がんのリスクが上がることが発見され、研究論文として審査を通り発表されました。
カリフォルニア州ロマリンダ大学にプレスリリースされた記事をご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません。)
この記事のもくじ
牛乳の量と乳がんのリスクは比例するという新しい研究
ロマリンダ大学の新しい研究によると、1日にたった1カップの牛乳を飲み続けると、乳がんリスクが最大50%上がるという報告が発表されました
論文の筆頭著者であるゲイリー E.フレーザー (内科・外科学士, PhD)は、「牛乳を飲んだり牛乳が含まれる乳製品の食べることによって、女性の乳がんの原因なっているかなり強力な証拠を提供します。」
1日わずか1/4(50cc)〜1/3(66.7cc)カップの牛乳で乳がんのリスクが30%増え、1日1杯(200cc)飲むとリスクは50%となり、 1日に2〜3杯だとリスクはさらに70%〜80%に増えました。
現在、米国の食事ガイドラインでは、1日に3カップの牛乳を推奨しています。
「この研究から、その推奨を注意深く見るべきであることを示唆しています」とフレーザーは言いました。
調査方法
52,795人の北米のがんではない女性(平均57.1歳)で7.9年調査しました(29.7%は黒人)。摂取量は食物摂取頻度アンケート(FFQ)から割り出し、食事の24時間リコールを繰り返しました。アンケートでは個人の背景、乳がんの家族歴、身体活動、アルコール、ホルモン剤およびその他の薬物使用、乳がんのスクリーニング、婦人科の通院歴などの項目がありました。結果
1,057人の乳がんの発症例がありました。大豆製品と乳がんのはっきりした関連性は見られませんでした。しかし牛乳の量が少ないかない場合と比べると、大豆の摂取量とは関係なく、牛乳の摂取量が多いほど乳がんのリスクが高くなります。また全脂肪乳vs低脂肪、無脂肪乳を比べると、結果の違いは最小限でした。(つまり脂肪はあまり関係ない)
チーズとヨーグルトでは特に重要な関連はありませんでした。
「しかし、乳製品、特に牛乳はリスクの増加と関連しており、データは牛乳の代わりに豆乳にすることでリスクが大きく下がると予測しました。つまり乳製品の代替がベストな選択となる可能性が高まります。」
乳製品の危険な影響は、最近のAHS-2の報告*と一致しており、乳がんは菜食主義者がより少ないことを示唆しています。
※ AHS-2の報告論文 (オープンアクセス;論文の全文が無料で読めます) :「乳がんの低リスク集団における菜食の食事パターンと乳がんのリスク」2016年、全16ページ PDF書類
牛乳を飲むことで乳がんが増える理由
フレーザー博士は、乳がんと牛乳の関連の考えられる理由として、乳牛は授乳中で約75%が妊娠しているため、性ホルモンの量が関係するかもしれないと指摘しました。女性の乳がんはホルモン応答性のがんです。さらにいくつかの報告によれば、乳製品や他の動物性タンパク質の摂取が、インスリン様成長因子-1(IGF-1;がんを増やすと考えられているホルモン)の血中濃度の上昇と関連しています。フレーザー博士は「牛乳は良い栄養もありますが、他のあまり良くない影響とのバランスを取る必要があります。この研究は、さらなる研究が緊急に必要です」とメッセージを残しました。
引用ニュース & 原著論文
🔵 ロマリンダ大学プレスリリース(英文):New study associates intake of dairy milk with greater risk of breast cancer.(Loma Linda University)February 25, 2020🔵 原著論文 : Dairy, soy, and risk of breast cancer: those confounded milks.
(International Journal of Epidemiology, 25 February 2020 )
Seigoの追記
この新しい研究では乳がんが牛乳の飲む量と関係しているというものですが、乳がんだけでなく 前立腺がんも牛乳のホルモンが原因でリスクが上がる ということが報告されています(文献2報)。また、 卵巣がん や 肺がん も乳糖不耐症〔乳糖(ラクトース)を分解できない人; 最近は増えてきて80%以上の日本人が乳糖不耐症である*〕の人ではリスクが上がるそうです(文献)。
※ 上昇傾向に見える日本人の乳糖不耐症の率(3報より)
1975年 19% (文献より)
2000年以降 74%(宮本拓岡山大学名誉教授のスライドより)PDF書類
2001年 84% (文献より)
牛乳によるがん以外のトラブル
さらにがんだけでなく、実は骨のカルシウム源になるとか関係ないそうで(つまり牛乳を飲んでも骨折のしにくくなるわけではない;文献)、牛乳の飽和脂肪が心臓病、2型糖尿病、アルツハイマー病などのリスクや妊婦さんが飲むと生まれた子供のADHDのリスクを高めてしまうという報告もあります(当サイトの記事、文献引用あり)。「乳がんと牛乳」ジェイン・プラント (著)という本には、乳がんになった著者が原因を究明し、乳がんとどう戦ったか詳しく書いてあり興味深いです。牛を早く育てるために人工の成長ホルモンを使いますが、困ったことにその成長ホルモンが牛乳に混入してきて、子供の肥満や異常なバストの成長(乳がん)に影響しているということです。良くないのは成長ホルモンだけではありませんが(牧草(植物)を与えないで動物のタンパク質を使った飼料や抗生物質の使用など)。草ではなく動物のタンパク質をエサとして与える事によって狂牛病が起こってしまったことも分かっていますが、飼料が改善されたかの報告はありません。
ところがオーガニックの牧草で育てられた牛からの乳なら、1950年以前は糖尿病の治療に使ってたくらい、逆に健康効果が多く見られました。自然に牛乳に含まれている菌も生きていて、ラクトース不耐症の多くの人でも大丈夫だったりするんですけどね(ラクトースを分解してくれる菌が自然に入っているため)。(当サイトの生の牛乳の記事)
日本では女性は乳がんが増えていて、がん罹患率の中で乳がんが一番多くなってしまいました。もちろんアメリカも多く8人に1人が乳がんになってしまうそうです。アメリカには牛乳が良くないと気づいた人が多いせいか、代替乳の需要は増え、ディーンやボーデンなどの大手の乳製品会社は破産申請しているくらい牛乳離れがすごいです。
私がアメリカのスーパーで見かけたビーガンの代替乳はこんなにありました。
ソイミルク、アーモンドミルク、ココナッツミルク、オーツ(麦)ミルク、ヘンプ(麻)ミルク、キヌアミルク、ヘーゼルナッツミルク、カシューミルク、フラックスミルク
など多岐に渡ります。ビタミンDなどが添加(fortified)されてちゃんと牛乳の栄養が補われています。キヌアはちょっと美味しくないですけど、ヘンプミルクはコクが結構好きでした。日本でもアーモンドミルクやヘンプミルクも売ってますね。ヘンプはお高いですが、質の良いプロテインなのでこういうのが普及するといいなぁとお思います。(GHQに弾圧されるまではヘンプ(麻)は日本で自然に生えていた)書籍:乳がんと闘い科学的に牛乳の悪を世に知らしめた名著
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以下のリンクは効果効能を保証するものではありません。ビーガン対応の代替乳
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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