コンブチャ(紅茶きのこ)を科学的に分析した結果がスゴイ! (2019年最新論文)
コンブチャ(紅茶キノコ)は米国ではコーヒーのように手軽に飲むことができ、腸内細菌を整える優秀な健康食品として認識されているスーパー健康飲料ですが、日本では一般の店舗にはあまり出回っていません。
日本でコンブチャと言えば、ダイエット食品として認識され、業者から数千円を出して買うような場合が多いのではないでしょうか。米国では200〜500円のガラスボトルに入ったコンブチャ(180mL〜500mL)を購入するという感覚です。
日本にもっとコンブチャを普及させたいので(もともとで日本で昭和40年代に自家製の者が流行ったそうです)、このスーパー健康飲料について取り上げさせていただきます。
ちょうど良いタイミングでコンブチャに関する論文が出てレビュー記事にコンブチャの知識が述べられておりましたので、和訳してご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません。)
また論文はオープンアクセスですので、どなたでも無料で全文が閲覧できます! 翻訳の下にリンクを貼っておきます。
→ 最近はGoogle翻訳の性能が良くなってスムーズな日本語に翻訳してくれます。(時々変ですが)ご活用下さい。(Google翻訳のページはこちら)
コンブチャの培養
発酵飲料の微生物群集は、強調と競争について教えてくれます
今日の健康志向なコミュニティでは、コンブチャ(紅茶キノコ)は絶賛されています。その魅力は入手のしやすさや期待される健康上の利点にあります。またプロバイオティクスを(善玉菌を腸内に)取り入れることから人に有害な細菌を殺してくれたりなど多岐にわたっています。しかし、科学の多くの場合と同様、コンブチャには「文字通り」見た目以上の利点があります。この発酵混合物に生息する微生物は、微生物群の相互作用、より具体的には、複雑な微生物モデル内で、共生関係がどのように形成されるかについての洞察を提供します。
バイオコンピューティング、セキュリティ、および社会のためのバイオデザインセンターの、Athena Aktipis心理学科助教は、深く研究する前からのコンブチャ愛好家でした。
「コンブチャの味が好きだったから、研究することにした、というのが本当のところです。自分で飲む分を自分の台所で醸造することにしたんです。数ヵ月経った頃、仕事から帰ってそれを見ているうちに、ふと「どんな働きがあるのだろう」と思いました。私は科学者ですから、すぐGoogle Scholarで学ぼうとしたのですが、あまり情報が見つかりませんでした」
この疑問に対し、Aktipisは他の研究者と協力して、既存の文献で見つけたパズルの断片を全て集めたのち、コンブチャがどのように作用し、さまざまな種類の微生物がどのように相互作用と協力を行うか、全体像を描きました。
以前Aktipisの研究室に所属していたAlexander Mayは、PeerJ(The Journal of Life and Environmental Sciences)誌に投稿した総説で、この知識を拡大する取り組みを主導しました。基礎・応用微生物学及び進化メカニズムのArvind Varsani准教授と、バイオコンピューティング、セキュリティのCarlo Maley准教授は、この総説の共著者です。
この論文は、微生物システムの各コンポーネントを分解し、コンブチャが出来上がる過程において、微生物がどのように相互作用し、発酵プロセスのどの副産物を資源として利用するかについての洞察を提供しました。
Mayは次のように述べています。「コンブチャは、簡単に増える微生物群であるため、異なる種の微生物間の共生に関する興味深い疑問に対し、解答を与え得る重要なモデルシステムであると考えています。コンブチャのバクテリアと酵母を含む微生物群では、科学者達が正に学び始めたばかりの、多くの複雑な社会的活動が実際に起きてます。小規模で何が起こっているかを理解することで、大規模で何が起こるかについての手がかりを得ることができ、同じパターンが人間社会にも当てはまるかどうかを確認できると思います。人類はコンブチャのような発酵食品を何世紀も食べてきましたが、科学者がシステム自体を掘り下げて、人にどのように利益をもたらすかを理解し始めたのはごく最近のことです」
コンブチャの作り方
コンブチャは、最初にショ糖を紅茶または緑茶に加え、次にコンブチャ元培養液を加えて作られます。元培養液のバイオフィルムを上にかぶせ、10~14日間発酵させます。
これはおいしい軽食を作るための簡単なレシピにしか見えないかもしれませんが、これらの発酵ステップは実際に多種多様な微生物を維持しており、通常は顕微鏡下でしかみられない生物ではなく、さまざまな細菌の生態を目で観察できます。
「私たちは、新しい抗菌製品を作成できるシステムとしてkombuchaを開発しようとしています。」
(Athena Aktipis、心理学助教&バイオコンピューティング・セキュリティ・ソサエティ准教授)
しかし、さまざまな微生物種が関与している多くのシステムがある中で、なぜこれらの関係を説明するためにコンブチャを取り上げる必要があるのでしょうか
Aktipis准教授は次のように述べています。
「作るのが簡単で、管理が容易だということがありますが、非常に多くの種を含んでいるので、自然界に見られるようなある種の複雑さも併せ持っています。 シンプルさと複雑さの間の、ちょうど良い加減なのです」
コンブチャは、微生物スケールの種間相互作用を研究する効率的な方法であることが示されているわけですが、提供できるものははるかに多くあります。この研究から、Aktipis准教授らは、人の健康を良くするような治療法を開発するためにコンブチャを使用することに取り組んでいます。
ヒトの腸内フローラがいかに重要であるかが最近明らかになってきています。人類の夜明け以来、共に進化してきた体内の微生物のバランスは、人間の健康にとって極めて重要です。そのバランスが崩れると、重大な悪影響が生じかねませんが、微生物レベルで人間を治療すればそのバランスを回復させられるかもしれません。
Aktipis准教授は次のように述べています。
「今、私たちは、複数の種に基づいた新しい抗菌製品を作成できるシステムとして、コンブチャを開発しようとしています。薬物は微生物を殺すために使用されます。それに対し、「病原体に打ち勝つことができる多様な微生物群集をどのように育てることができるか?」と問いかけたいのです」
これを行うために、研究者はコンブチャを用い、新しい菌を導入したり、化学成分や微生物成分を除去したりしています。
「コンブチャの構成成分のうち、どれが最も重要なのかを突き止めようとしています。この論文は、私たちが設計している研究プログラム全体の氷山の一角に過ぎません。
モデルシステムとしてのコンブチャを見出した最初の研究者として、このことは、周りの世界に気づきを得ること、「なぜ?」と思うことをやめないことを思い出させる優れたリマインダーであると言えます。
科学では、すでに研究されているものだけを見る傾向があります。このコンブチャプロジェクトで行ったことの多くは、観察そのもの、そして自然界を観察すること、の重要性に回帰しているものです。 最近忘れられがちなことですが、身の回りで起きていることに目を向けて、それを理解しようとすることは、やっぱりすごく楽しいことだ、と思うのです」
ーーー 翻訳ここまで ーーー
引用ニュース & 原著論文
🔵 英語ニュース:Kombucha culture(Arizona State University)September 4, 2019🔵 原著論文 : May A, Narayanan S, Alcock J, Varsani A, Maley C, Aktipis A. 2019.
Kombucha: a novel model system for cooperation and conflict in a complex multi-species microbial ecosystem.
PeerJ 7:e7565 https://doi.org/10.7717/peerj.7565
→ 最近はGoogle翻訳の性能が良くなってきて読みやすい日本語に翻訳してくれるようになってきました。(時々変ですが)ご活用下さい。(Google翻訳のページはこちら)
日本で売っているコンブチャ
Seigoの追記
コンブチャはスゴイですね〜私は地球上で一番美味しい飲み物だと思っております。少しアルコールも入っていて晩酌代わりにもなりますし、それでいてぜんぜん悪酔いしません。
(本当の発酵食品って悪酔いしないですよね。といってもアルコールは本当に微量ですが、アメリカで売っているコンブチャにはアルコールが入っていると明記されています。)
コンブチャのスゴイ3つのポイント
コンブチャは自分で細菌同士の生態系を作っているそうで、都合の悪い悪玉菌は抗菌作用によって排除しており、また「細菌」と「酵母」のお互いのコミュニュケーションの中で有用な酵素「インベルターゼ」も作り出して強調しているという奇跡的な環境を作り出している飲み物なのです。またそれを私たちが飲むことによって腸内細菌が整えられてしまうのですから驚きです。
上記のレビューで書かれてなかったことが原著論文にありましたので、それを含めてコンブチャの科学的な3つのすごいポイントを以下に整理しておきます。
① コンブチャの上を覆っている「バイオフィルム」:酵素の供給、栄養素の貯蔵、悪玉菌の侵入阻止
② エタノールと酸:発酵プロセスの中で生成され、抗菌作用をもつ
③ インベルターゼの生産:酵母と細菌の両方で糖を代謝することを可能にする
このような今まで知られていなかったことが、徐々にですが解き明かされているようです。
原著論文はオープンアクセスで全文が無料で読めますので、英語が苦手な方にもGoogle翻訳で訳しながら読むのをトライしてみて下さい。あなたの知らない真実に出会えるかも知れません 😄
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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