ラウンドアップ(グリホサート)除草剤の危険性は第二世代から始まる!? 不妊,前立腺異常など(2019年研究)
ニュース/レビュー
執筆日:2019年6月16日、更新日:2021年4月12日
日本では「国産」と書いてあると安心だというイメージがあるようですが、今回取り上げる農薬については全く断りがないところに恐いものを感じます。世界の先進国では続々と使用禁止になっているグリホサートが、規制がまだな日本へ世界中から集まってきており、さらに日本の省庁は農薬の使用料を緩和するという悪い方向へ基準を緩めたため、食品内の農薬残存量が日に日に増えています。大切な論文が2年前に発表されていますが、日本の公共放送であるNHK(日本人有料、海外では無料)でさえもメディアは日本人に伝えませんので、ここに復刻版を掲載します。この問題は日本人存亡の危機になる可能性のある問題です。ーーー 2019年6月16日の記事より ーーー
ラウンドアップはただちに影響は出ないが、子供の2世代目から「不妊」や「不自然な死」そして「生殖細胞関連の病気が急増するそうです。ワシントン州立大学が最新研究をプレスリリース(英文)しましたので、それを翻訳したものをご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません m(_ _)m )
この原著論文はオープンアクセスですので、全員の方に無料で論文の全文が閲覧できます!(英語ですが・・・😅 )
この記事のもくじ
ニュースタイトル「WSUの研究者は人気のある除草剤に世代を超えた健康への影響を調査しました」
ワシントン州立大学(WSU)の研究者たちは、世界で使われている除草剤グリホサートにさらされた第2世代および第3世代のラットの子孫に、さまざまな病気やその他の健康問題、即ち、前立腺疾患、腎臓疾患および卵巣疾患、肥満および出生異常が起こることを見出しました。
WSUのMichael Skinner生物科学教授らは、妊娠8日から14日の間の妊娠ラットに除草剤を曝露させました。有害作用を示さないと予測される量の半分量を用いたところ、両親や第一世代の子孫には特にあきらかな悪影響は出ませんでした。
しかし、Scientific Reports誌での発表によると、第二世代と第三世代の子孫にいくつかの病理学の「劇的な増加」が見出されました。第二世代は、 肥満 だけでなく、 精巣 、 卵巣 および 乳腺の疾患 において「著しい増加」を示しました。第三世代のオスでは、 前立腺疾患が30パーセントの増加 と対照群の3倍を示し、メスでは、 腎臓病が40パーセントの増加 、対照群の4倍となりました。
第二世代のメスのうち1/3以上が妊娠せず 、その多くは 不自然な死 を迎えました。第三世代での雌雄それぞれ5匹のうち2匹が肥満でした。
Skinner教授らは、この現象を「世代別毒物学」と呼んでおり、殺菌剤、殺虫剤、ジェット燃料、プラスチックに含まれるビスフェノールA(BPA)、防虫剤DEET、および除草剤アトラジンで、長年にわたり研究してきました。環境によって影響され、遺伝子のオン/オフを制御するエピジェネティック変化(生まれた後に起こる遺伝子発現の変化)によるものと見込んでいます。
Skinner教授は、グリホサートが「世界中で最も一般的に使用されている化合物の1つであるため」研究することを決めたと述べています。
この化学物質は、健康への影響に関して数多くの研究がなされています。本研究も、ワシントンの中だけでもこの数ヵ月間で3つ目のものです。2月に発表されたワシントン大学の研究は、この化学物質が非ホジキンリンパ腫のリスクを最大41%増加させると報告しました。 12月に発表されたワシントン州立大学の研究によると、除草剤を散布している地域の近くに住む州の居住者は、パーキンソン病患者の1/3が早期に死亡しています。
Skinner教授とその同僚は、この化学物質の世代別毒物学の結果は、リスクの推定値に組み込まれるべき新しい欠点を表している、と言います。
「グリホサートや他の環境毒性物質が将来の世代に影響を与える可能性を考慮する必要があります。リスク評価として、今日行われている、直接曝露の毒性学と同じくらい重要である可能性があります」
研究はジョンテンプルトン財団からの助成金によって支えられいます。 この論文の共著者は、学部研究員Deepika Kubsad、リサーチアシスタント教授Eric Nilsson、リサーチアシスタントStephanie King、シニアリサーチアソシエイトIngrid Sadler-RigglemanおよびリサーチアソシエイトDaniel Beckです。
ーーー 翻訳ここまで ーーー
引用ニュース & 引用文献
🔵 英語ニュース:New research from an Iowa State University scientist identifies microbes that may reduce allergy-like reactions to some ripened cheeses( Iowa State University )🔵 原著論文 (オープンアクセス, 全文が無料で閲覧できます): Assessment of Glyphosate Induced Epigenetic Transgenerational Inheritance of Pathologies and Sperm Epimutations: Generational Toxicology.
Sci Rep. 2019 Apr 23;9(1):6372. doi: 10.1038/s41598-019-42860-0.
Kubsad D, Nilsson EE, ・・・ Beck D, Skinner MK.
⭐️ 最近はGoogle翻訳がまともな和訳をしてくれるようになったので、英語から日本語に翻訳する時にご活用下さい。(Google翻訳はこちら)
農薬に関する書籍
Seigoの追記
驚くべきは生まれた後に起こる遺伝子変化が遺伝するということ
この報告で良く出てきたエピジェネティックな遺伝子の変化という意味は、生まれた後に起こる遺伝子発現の変化(通常はDNAのメチル化などを通して遺伝子の発現量が変わる)を表していて、両親から受け継がれる先天的な遺伝子変化のことではありません。今回の研究結果では、ランドアップに影響を受けたエピジェネティックな遺伝子の変化が、除草剤を浴びた世代やその子供の世代には健康被害に影響はないが、その孫やひ孫の代まで引き継がれたときに、そこで悪さを起こすことが分かったという、これまでの遺伝学にはない新しい証拠を示しているのです。このようなエピジェネティックな遺伝子変化が受け継がれることをepimutation(エピミューテイション)と呼びます。
日本でもたくさんのラウンドアップとして知られる(グリホサートを含んだ)除草剤が使われていますが、それを食べている世代とその子供は大丈夫だけれども、孫の世代(第2世代)から異常が出るということは恐ろしいことです。すぐにその危険性に気づけないからです。気づいた頃には日本全体がラウンドアップでできた農産物で育っていたせいで病気だらけなんて事が起こりえるからです。起きてからでは遅いのは、その孫の世代から不妊になる確率が高く、また不自然な死が増えると言うことは、その家系が絶えてしまうことを意味しているからです。
これは早急な国レベルの対策が必要な事案かもしれませんね。人類の生存の危機にかかわることなので、関連ニュースは優先的に取り上げていきたいと思います。
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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