「自動運転&ライドシャア事業」で世界制覇をねらうトヨタとソフトバンクの合弁企業

ニュース/レビュー

トヨタとソフトバンクが提携し、新会社を設立します。

日本の会社で時価総額1位と2位の提携でなにが生まれるのでしょうか?

とてもビックニュースなのでここにまとめさせていただきます。

世界のライドシェア事業を握るソフトバンク

まずは自動車業界からのニュースです。
9月に日産自動車とフランス・ルノーどの企業連合が自動運転など車のデジタル化に向けGoogleとの技術提携を発表しました。
さらに10月3日にホンダがアメリカのGM(ゼネラルモーターズ)と自動運転車を共同開発しました。
新たな記述の登場で開発競争が激しさを増す中、10月4日にトヨタソフトバンクグループとの提携を発表しました。

時価総額で国内1位と2位に位置する両者の提携で自動運転を巡る勢力図はどう変わっていくのでしょうか?

新会社:モネ テクノロジーズ

トヨタ自動車:豊田章男社長
ソフトバンクグループ:孫正義 会長兼社長

 

千代田区で行われた記者会見で10月4日に両社長が握手を交わしました。

孫会長「世界のトヨタと事業を開始できることを思っただけでワクワクする」とコメント。

国内1位と2位の作る新しい会社は「モネ テクノロジーズ」で自動運転技術を活用した移動サービスを手がけます。

出資比率はソフトバンク 50.25%、トヨタ 49.75%で社長にはソフトバンクの宮川 潤一副社長が就任します。

トヨタは今年1月ラスベガスの発表会で、アマゾン、ピザハット、ウーバー、そしてマツダと通信機能を持つコネクテッドカーを開発中だとアナウンスしました。

新会社では移動式箱型店舗のような電気自動車を使い、国内の過疎地などで宅配や送迎サービス、車の乗り合いサービスを始める予定です。

トヨタ自動車・豊田章男社長は自動運転をやっていこうとアプローチした会社(ライドシェアーの会社など)のドアを開くと、いつも必ず孫さんが前に座っておられたというところで「時が来た」(一緒にやっていこう)と考えたと申しておりました。

今回の提携はトヨタから声をかけたと言います。

トヨタがソフトバンクに求めるものは、ライドシェアに欠かせないAIなどの技術。

ライドシェアの9割はソフトバンクグループが筆頭株主

ライドシェアの分野では、アメリカでは「Uber」, 中国では「DiDi」、アジアでは「OLA」「Grab」
これらの企業の実質上の筆頭株主は「ソフトバンクグループ」。
孫社長によりますとこの4社は世界のライドシェア利用者の9割を占めているといいます。

世界の9割をカバーするライドシェア4社

🔵 Uber(ウーバー)は米国の企業であるウーバー・テクノロジーズが運営する、自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリです。

🔵 DiDi:DiDiモビリティジャパン株式会社(英: DiDi Mobility Japan Corp.)は東京港区に本社を置くタクシー配車サービスを提供する滴滴出行(Didi Chuxing)とソフトバンクの合弁会社です。

🔵 OLA:インドの配車アプリです。正式な社名はANIテクノロジーズ(英: ANI Technologies Pvt. Ltd.)でインドバンガロールに拠点を置くタクシー配車アプリOla Cabs(オラキャブス)の運営会社です。アプリの通称であるOla(オラ)の名で呼ばれる事が多いです。

🔵 Grab:グラブ(英: GrabTaxi Holdings Pte Ltd)はシンガポールミッドビュー・シティに拠点を置く配車アプリ運営企業です。マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、カンボジアで自家用車向けGrabCar、オートバイ向けGrabBike、相乗りサービスGrabHitch、配送サービスGrabExpressおよび決済サービスGrabPayを提供しています(ウィキペディアより)。

1日当りのライドシェアの乗車回数は
3500万回/日(4社合計)
(2017年)

JR東日本の1日当りの輸送人員数
1770万人/日
(2017年度)

つまりJR東日本のすでに2倍の輸送量があり、ライドシェアは年々、倍々で増えているということは、すでにソフトバンクグループはJRをしのいで世界最大級の交通機関のオーナーになっているということになるかもしれません。

ソフトバンクグループに世界中の輸送データが集まる

(イラストはイメージです)


🔵 ソフトバンクグループには世界中の人々が移動する膨大な輸送データを収集可

🔵 ライドシェアの特徴として利用者は「決済情報」や「カード情報」を登録しているのでそこからも情報収集可

これから自動運転車を誰が買うかの観点に立つと、それもソフトバンクグループが最王手になる可能性があります。

個人ではなくまずは法人から、中でもライドシェアのところが無人運転者を買うだろうと言われてますから、そういう意味でもトヨタはソフトバンクグループのことを無視できない存在になっているのです。

最大の顧客を囲い込んだという意味合いもあるのです。

引用:『WBS』テレビ東京、2018年10月4日

🔵 関連情報:10月4日のトヨタ&ソフトバンクのイベントの模様(YouTube)

🔵 関連情報2:今年1月のトヨタのラスベガスでのイベント(YouTube)

 

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