ミントタブレットで嚥下(飲み込み)障害や非心臓性の胸痛が改善することが判明!? (2019年最新論文)

ニュース/レビュー

今回はペパーミントオイルのタブレットで食べ物の飲み込み障害や食道けいれんが改善するという報告についてです。

サウスカロライナ医科大学が結果を論文に発表し、レビュー記事(英文)を大学サイトにリリースしました。今回はそのレビュー記事を翻訳しましたのでご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません m(_ _)m )

ニュースタイトル「スプーン一杯のペパーミントで食べ物の飲み込みをスムーズに」

ペパーミントとそのオイル(出典:silviaritaによるPixabayからの画像)


お気に入りのレストランで美味しいものを食べていたら、呑み込みにくくなって胸が痛くなり、楽しみが中断されたと想像してみてください。
この症状のことでお医者さんに診てもらい、胸痛の原因が心臓だという証拠がなければ、食道に何らかの疾患があると診断されるかもしれません。

ペパーミント食道の障害を持つ一部の患者が経験する飲み込み障害や、非心臓性の胸痛を和らげることができると消化器科学のサウスカロライナ医科大学(MUSC)の研究者らが Digestive Diseases & Sciences 誌に報告しています。

MUSCパイロット試験に登録された38人の患者のうち、全体の63%が症状の改善を報告しました。 患者はMUSC健康消化器病センターの食道疾患クリニックから募集されました。

ペパーミントオイル過敏性腸症群の治療薬として確立されています。私たちははっきりした原因がない通過障害や胸痛を持つ患者さんへの効果を調べようとしました」MUSC 健康食道疾患センターの研究員で筆頭著者のモハメド・カラフ(Mohamed Khalaf)博士は述べています。

MUSC医学部胃腸科専門医で論文の責任者であるドナルドOキャッスル(Donald O. Castell)名誉教授は次の事を述べています:

ペパーミント下部食道の平滑筋を弛緩させることによってこれらの症状を防ぐのに役立つ可能性があることを示唆しています」と述べています。

ペパーミントオイルは筋肉を弛緩させる作用があるので、色々な疾患に治療効果があることが知られています。ただし、上部消化管への働きを調べた研究は2つだけです。

MUSCの研究によると、食前にペパーミントオイルの錠剤を服用した人々は、そうでない人々より食後の気分が良いことがわかりました。食物を飲み込みにくく心臓に問題はないが胸痛をもつ(両方の症状がある)人々に最も効果があり、73%は気分が良くなったと報告しています。1つの症状のみを持つ患者さんでは、胸痛のみの患者さんの方が食べ物を飲み込みにくい患者さん(53%)よりも、ペパーミントオイルによりポジティブな反応を示しました。

食道けいれんや胃酸の逆流にも

ペパーミント・タブレット(出典:PDPicsによるPixabayからの画像)


食道けいれんのある患者さんではさらに良い結果でした:83%がより良いかわずかにより良いという報告でした。胃酸の逆流などの食道障害はあまり知られていませんが、食道けいれんもまた患者さんの生活を妨げる可能性があります。これらの疾患では、食道が痛みを伴うけいれんを起こし、それが摂食を妨げることがあります。けいれんは時々起こるだけなので、これらの疾患は診断や治療が困難です。

現在、これらの病気の標準的な治療は、三環系抗うつ薬やカルシウムチャンネル遮断薬を含む複数の薬品の処方を必要とし、そのどれかが効くことを望んでいます。
ペパーミントは症状が出たら自由に飲むというものなので、断続的に起きる患者さんにとっては魅力的な最初の一歩の防御法を提供します。

「この研究では、飲み込むのが困難な患者さんは食前に市販のペパーミントを2錠服用しました。胸痛のある人は必要に応じた数のペパーミント錠を服用しました。」とカラフ博士は述べています。

この研究は「ちょっとから始めて、ゆっくりと」いう治療方針を提唱するチャールストンアプローチ(Charleston Approach)と呼ばれる効果を強調します。チャールストンアプローチは症状を和らげる最初の試みとしてペパーミントオイルを使うという点で既存の治療とは違います。

キャッスル博士とカラフ博士は、患者さんはまず一次治療としてペパーミントを処方する前に、心臓病の可能性を除外するための検査と食道の閉塞を除外するために内視鏡検査受ける必要があると警告しています。内視鏡検査ではライトとカメラを装着したフレキシブルチューブを食道に挿入します。

この研究の欠点の1つは、ペパーミントが特許製法による市販のキャンディー(そのうち1種類だけ効果が見られた)なので、正確な投与量を研究者が知らないことでした。それとこの研究では症状が改善したかどうかの判断を患者さんからの自己報告に依存していたことです。

この研究の予備的な発見は有望ではありますが、特定の用量のペパーミントオイルを摂取している患者とプラセボだけを摂取している患者さんの結果を比較する試験で確認する必要があります。

しかしそれまでの間、食道けいれんがあると診断され心臓病や閉塞がない患者さんなら、ペパーミントを使ってて症状が軽減するかどうかを試すことができます。

「安全性、低コスト、そして広く普及していることを考慮すると、ペパーミントオイルを試してみることにリスクはありません」とカラフ博士は述べています。

引用ニュース&原著論文

🔵 英語ニュース:A spoonful of peppermint makes dinner go down)April 29, 2019

🔵 原著論文 : Impact of Peppermint Therapy on Dysphagia and Non-cardiac Chest Pain: A Pilot Study (Digestive Diseases and Sciences, 2019 )

 

Seigoの追記

有名なハーブであるペパーミントが論文で登場しましたので、今回の記事として取り上げさせていただきました。

ペパーミントは生活にも浸透していて、口臭予防として食後のうがいに入っていたり、虫除け用のアロマとして使ったりたいへん役立っているものです。

上記の論文ではペパーミント油をキャンディーとして摂れば食道や胃腸のトラブルを改善してくれるそうですね。

日本でもペパーミントはハッカとして古くから親しまれていますね。

ハッカに関する興味深い書籍がありますので以下に紹介させていただきます。

ペパーミントやハッカに関する書籍&商品


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