奇跡の野菜:ビーツの栄養成分は? 9つの健康効果とは?〔科学的根拠・論文引用あり〕

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健康志向の方が増えていく中で、どんな食べ物が健康に良いか分からない方も多いのではないでしょうか?

テレビやネットなどでは「あれが良い、これが良い」と様々な情報で溢れかえっています。

今回はその中でもビーツという赤い野菜を紹介していきたいと思います。

ビーツにはすでに9つも健康効果があることが最近の研究から分かっています。

ビーツなんて聞いたことがない方もいると思いますので、分かりやすく、そして医学・科学的知識(論文を引用しながら)も交えますので楽しく参考にして頂ければ幸いです。

ビーツとは

渦巻き状の模様のあるビーツ(出典:by HiC/写真AC)


聞きなれない野菜「ビーツ」・・・見た目は赤カブに似ていますが、ほうれん草の仲間です。

切ってみると鮮やかな赤色が特徴的です。

日本では馴染みのない根菜ではありますが、ロシアを代表する料理「ボルシチ」には欠かせません。旬は6~7月、11~12月頃です。

ビーツは種まきから収穫までをわずか2~3ヵ月月程で出来てしまうのです。

日本ではOisixなどで私はビーツを手に入れています。〔 レッドビーツ (埼玉県産 木村さん他) 期間限定〕

ビーツの主な栄養成分

ビーツ(出典:by cheetah/写真AC)


ビーツは別名「奇跡の野菜」「食べる輸血」と言われるほど栄養価が高い野菜です。では、どのような栄養素が含まれているのでしょうか?

カリウム

ビーツにはカリウムが多く含まれています。カリウムはビーツ100gあたり460 mgと、茹でたほうれん草に匹敵するぐらい豊富に含まれています。

マグネシウム

マグネシウムは骨や歯を形成するのに必要な栄養素の一つです。ビーツにもマグネシウムが豊富に含まれており、100gあたり18mgとなっています。

カルシウム

カルシウムも骨や歯を形成するのに大事な栄養素の一つですね。こちらも100gあたり12mgと豊富に含まれています。

食物繊維

ビーツには食物繊維が3.4g含まれています。食物繊維は便を柔らかくしたり腸の運動を活性化してくれるので、便秘解消に効果があります。食物繊維も含まれていますが、豊富に含まれているとされる「ごぼう」と比較すると低いです。

ビタミン類

ビタミン類も含まれてはいますが、多くはないので、ビタミンを摂りたいと考えてる方はビーツではない野菜の方が効率的に摂れます。

健康に良い理由(9つの健康効果)

イメージ画像(出典:by acworks/写真AC)


栄養成分が豊富な(特にミネラル類)ビーツはどのように健康に良いのでしょうか?

① むくみの解消 – カリウム

むくみとは血液中の塩分濃度が高い時に、塩分濃度を薄めようと水分が供給されます(浸透圧による)。それが血管から染み出て、むくみとして現れます。そのむくみをカリウムが解消してくれるのです。余分な水分を体外へ排出させる働きがカリウムにはあります。

② 心筋梗塞の予防 – NO

ビーツはNO(一酸化炭素)が含まれています。このNO血管を拡張したり、柔らかくする効果があります。動脈硬化は血管がつまって起こりますが、NOは血管に柔軟性をもたせる効果があるので動脈硬化の予防につながるのです。また血圧を下げる効果も認められています英語文献1)。

③ 仕事の効率アップ – NO

ビーツのNO(一酸化炭素)の作用で血流が良くなると、脳の働きが活発化して仕事の効率がアップしたり、精神面にも効果的かもしれません。ビーツジュースを毎日250mL飲む人は認知機能がより良かったというデータもあります(英語文献2)。

④ 貧血予防 – 鉄、葉酸

鉄分が多く、しかも葉酸ビーツ100gで1日の必要量の半分が摂れてしまいます。また亜鉛も含みますので、まさに食べる輸血と言われる所以です。

⑤ 美肌効果 – NO, ポリフェノール, オリゴ糖, 食物繊維

先程書いた通り、血管の拡張にビーツは効果があります。血管が拡張すると血液の流れが良くなります。そうなると、栄養素や酸素等を全身に送りやすくなるので、血流が良くなり、美肌にも効果があるというわけです。

また、ビーツの特徴である赤色にはポリフェノールが含まれています。このポリフェノールには抗酸化作用があるので、血管の老化防止にもなります。血液の流れを良くするのと活性酸素を抑えることで、シミやシワ防止を防いでもくれるのです。さらにビーツのオリゴ糖食物繊維善玉菌が増え腸内環境も整いますので、お肌の調子が良い状態が保てます。

⑥ 肝機能アップ – ベタイン

ビーツに含まれるベタインという甘い成分抗酸化作用があり、肝臓に脂肪がたまるのを防いだり肝臓の機能を高める働きがあります。肝臓の機能を高めることでデトックス効果や抗がん効果が期待できます。ビーツの粉末を脂肪肝の患者さんに飲んでもらったところ、脂肪肝のグレードは変わらなかったものの、肝臓酵素と脂質プロファイルが改善し、肝臓のサイズも小さくなり良くなったという結果がでております(英語文献3)。

⑦ 抗炎症

ビーツの色は黄色のベタキサンチン赤紫のベタシアニンというベタレイン色素と呼ばれるもので発色しています。ベタレイン色素非常に抗酸化作用が高く、ガンや肝臓病、心臓病、腎臓病などいろいろな病気の原因となる慢性炎症に良いと言われています英語文献4, オープンアクセス全文が無料で読めます

慢性炎症を減らすことはアンチエイジングのためにはとても大切です。また膝(ひざ)の痛みや不快感が和らいだという報告もあります英語文献5

⑧ 腸内環境改善 – オリゴ糖, 食物繊維

ビーツに含まれるオリゴ糖食物繊維腸内細菌を整え便秘や腸の炎症性疾患など腸の病気を防ぎます。2型糖尿病にも良いようです。

⑨ 運動のパフォーマンスを高める – 硝酸塩

いくつかの研究によりは、ビーツに含まれる硝酸塩が運動能力を高める可能性を示しています。
このためビーツはアスリートがよく使用する食材となっています。
硝酸塩は、ミトコンドリアのエネルギーが効率良く作られるようにするため、身体的パフォーマンスに良い影響を与えるようです英語文献6


ビーツを食べるとサイクリングと運動能力が向上し、酸素使用量が最大20%増加しました(英語文献7, 14, 15, 16

   つまりビーツを食べると、酸素の使用と消耗までの時間が改善され、運動能力が向上するということです。効果を最大にするには、トレーニングや競技の2〜3時間前にビーツを食べると良いです(英語文献18

まとめ

ビーツは栄養価が高いので、健康を意識している方やアンチエイジングしたい方はマストな野菜です。

LAでもビーツのスライスが入ったデトックスサラダは人気があります。キヌアとビーツのサラダもキヌアの良質なタンパク質がプラスして美味しいですよ。また、ビーツのポタージュやジュース、スムージーなんかもヘルシーで美味しいです。

なかなか手に入りにくいですが、オイシックス(Oisix)や楽天ショップには季節が合えば売っておりますので以下にそのリンクを貼っておきます。



オフィシャルサイトへのリンクはこちらから ↓


オイシックス




楽天ショップで手に入る有機のビーツ製品

ビーツの入ったオーガニックサラダと野菜ジュース

引用文献

以下は参考文献No.6までのタイトルの和訳を追加しておきます。No.4と5はオープンアクセスの論文なので全文が無料でご覧になれます。

英語文献1) 『(タイトルの和訳 → )無機硝酸塩とビーツルートジュースの補給は、成人の血圧を低下させます:系統的レビューとメタ分析』J Nutr. 2013 Jun; 143(6):818-26. doi: 10.3945/jn.112.170233.

英語文献2) 『(タイトルの和訳 → )食事性硝酸塩補給は、2型糖尿病の反応時間を改善します:新規硝酸塩枯渇ビーツルートジュースプラセボの開発と応用』Nitric Oxide. 2014 Aug 31;40:67-74. doi: 10.1016/j.niox.2014.05.003.

英語文献3)『(タイトルの和訳 → )非アルコール性脂肪性肝疾患患者に対するビーツルート補給』Curr. Res. Nutr Food Sci Jour., Vol. 7(1), 96-101 (2019)

英語文献4)『(タイトルの和訳 → )ビーツルート(Beta vulgaris L.)抽出物は、げっ歯類モデルでの酸化ストレス、炎症、アポトーシスに関連するジェンタマイシン誘発腎毒性を改善します』Mediators Inflamm. 2014; 983952., doi: 10.1155/2014/983952(オープンアクセス全文が無料で読めます
→ 最近はGoogle翻訳の性能が良くなってスムーズな日本語に翻訳してくれます。(時々変ですが)ご活用下さい。(Google翻訳のページはこちら


英語文献5(タイトルの和訳 → )ベタレインが豊富な赤ビー濃縮物は膝の不快感と関節機能の低下を改善する:二重盲検プラセボ対照パイロット臨床研究』(オープンアクセス全文が無料で読めます

英語文献6(タイトルの和訳 → )食事の無機硝酸塩は、ヒトのミトコンドリア効率を改善します。』Cell Metab. 2011 Feb 2;13(2):149-59. doi: 10.1016/j.cmet.2011.01.004

 

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