タンパク質をとるのに赤身肉は危険? ハーバード大学研究者による良い/悪いタンパク質
健康情報
ハーバード大学・公衆衛生学科の天野医師のタンパク質についての記事をご紹介します。
引用:「ハーバード大学研究者が指南する体に良いたんぱく質と悪いたんぱく質」(dime.jp)
この記事のもくじ
- 1 今アメリカでは空前の「たんぱく質」ブーム
- 2 「たんぱく質が良い」というのは何となく分かるのですが…具体的に何が良いのでしょうか?
- 3 そんなにリスクが変わってくるのですね!それでは、1日にどれくらいのたんぱく質を摂取するのが望ましいのでしょうか?
- 4 体重60kgの人の場合、1日50g以上たんぱく質を摂取する必要があるのですね!スターバックスで販売されていたプロテインボックスに含まれるたんぱく質量は20-35gなので、これだけでは足りませんね…たんぱく質の摂取量は、多ければ多いほど良いという認識でよろしいでしょうか?
- 5 え!赤身肉や精製肉に含まれるたんぱく質は良くないのですか?それらの肉を食べると身体にどのような影響が出るのでしょうか?
- 6 何からたんぱく質を摂取するかで、こんなにリスクが変わってくるのですね…最後に先生が好きな、良質なたんぱく質を摂取できる食べ物を教えてください!
- 7 Seigoの追記
今アメリカでは空前の「たんぱく質」ブーム
アメリカのスーパーやコンビニで販売されている食品は、健康食品だけでなくスイーツまでにも「たんぱく質含有量」が記載されています。スターバックスでは、チーズやゆで卵が入った「プロテインボックス(日本では未発売)」が販売されています。
デルタ航空の機内食では、ベーグルセットやフルーツセットなどに加え、「プロテインパック」が用意されています。
「たんぱく質が多く含まれた食品」と言うと、筋トレユーザーが筋力アップを目的に食べているイメージがありますが、たんぱく質を摂取するとどのような効果があるのでしょうか?また、たんぱく質を効率的に摂取するためには何を食べたら良いのでしょうか?
その疑問を解決するために、ハーバード大学・公衆衛生学科の研究者である天野医師にお話を伺いました。
「たんぱく質が良い」というのは何となく分かるのですが…具体的に何が良いのでしょうか?
たんぱく質は私たちの筋肉、骨、皮膚、その他様々な部分の組織を構成しています。また、様々な酵素や酸素を運搬するヘモグロビンもタンパク質によって出来ています。そのため、たんぱく質を摂取すると健康的な身体を作ることができるのです。パンや米などの炭水化物をイメージしてもらうと分かりやすいのですが、たんぱく質量が少ない食品には、糖質が多く含まれています。
そのような食品を多く食べていると、糖質過剰摂取となり、肥満や心疾患などの様々な疾患のリスクに繋がります。
例えば、約8万人の女性を対象とした観察研究からは、低糖質食(糖質が少ない食品)を摂取した人は、高糖質食(糖質が多い食品)を摂取した人よりも、心疾患(心筋梗塞や狭心症)のリスクが30%減ったことが明らかになりました。
そんなにリスクが変わってくるのですね!それでは、1日にどれくらいのたんぱく質を摂取するのが望ましいのでしょうか?
全米医学アカデミーでは、体重1kg当たり最低0.8gのたんぱく質の摂取を推奨しています。体重60Kgの人であれば、1日最低50gのたんぱく質を摂取する必要があります。しかし、高齢者はタンパク質の吸収率の低下や筋肉合成能が低下するため、筋肉量を維持するためには、より多くのたんぱく量の摂取が推奨されています。
サルコぺニア診療ガイドライン 2017では、高齢者は体重1kgあたり1.0g以上のたんぱく質摂取が推奨されています。
体重60kgの人の場合、1日50g以上たんぱく質を摂取する必要があるのですね!スターバックスで販売されていたプロテインボックスに含まれるたんぱく質量は20-35gなので、これだけでは足りませんね…たんぱく質の摂取量は、多ければ多いほど良いという認識でよろしいでしょうか?
量も重要ですが、それよりも「質」に注意して欲しいです。推奨されているタンパク質の摂取量をクリアすれば良いということではなく、「どういった食物から摂取したのか」がより重要になってきます。
具体的には、赤身肉や精製肉(ソーセージ、ハム、ベーコンなど)に含まれているたんぱく質でなく、豆類などの植物性たんぱく質や、魚あるいは非精製肉(鶏肉など)に含まれているたんぱく質を摂取することで、様々な疾患の危険性を下げるという研究結果が出ています。
え!赤身肉や精製肉に含まれるたんぱく質は良くないのですか?それらの肉を食べると身体にどのような影響が出るのでしょうか?
1.肥満になりやすい
赤身肉や精製肉を多く摂取した人は体重が増加し、反対に植物性たんぱく質を含む食品や非精製肉を多く摂取した人は体重が減少したことが認められました。2.糖尿病発祥リスクが高まる
1日に20-50g以上の赤身肉や精製肉を摂取した人は、摂取していない人と比較して、糖尿病発症リスクが12~32%も上昇しました。反対に植物性たんぱく質を含む食品や非精製肉を多く摂取した人は、糖尿病発症リスクが16-35%も低下しました。3.心血管疾患のリスクが高まる
1日約85g以上の赤身肉や加工肉以外の肉(鶏肉等)からたんぱく質を摂取した人は、心血管疾患リスクが13%減少しました。しかし、赤身肉や加工肉を1日約40g(ホットドック1個の量に相当)摂取した人は、心血管疾患のリスクが20%増加しました。また、植物性たんぱく質の摂取比が多ければ多いほど心血管系疾患による死亡率は低くなる傾向が見られており、植物性たんぱく質のエネルギー比率が1%増加するごとに心血管系疾患による死亡リスクは14%低下することが明らかになっています。
何からたんぱく質を摂取するかで、こんなにリスクが変わってくるのですね…最後に先生が好きな、良質なたんぱく質を摂取できる食べ物を教えてください!
簡単に調理でき、アレンジの幅も広がるひよこ豆が好きで、よく食べています。例えば、ひよこ豆のサラダ。
ひよこ豆、ベビーリーフ、チーズ、クルミやヒマワリの種などのナッツ類を混ぜて、オリーブオイルとバルサミコ酢とレモンで和えるだけの簡単サラダですが、とても美味しいです。
また、ひよこ豆をペースト状にして作った「フムス」を冷蔵庫に常備しています。
作るのが難しそうですが、ひよこ豆、タヒニ(ゴマペースト)、にんにく、オリーブオイル、レモンをフードプロセッサーに入れれば出来るので、とても簡単です。サラダにのせたり、おやつにホールグレイン(全粒穀物)のパンに付けて食べたりしています。
<取材協力>
天野 方一
埼玉医科大学卒業後、腎臓病学や高血圧学の臨床や研究に従事した後、抗加齢医学専門医や腎臓内科専門医等の資格を取得。
2018年からハーバード大学公衆衛生大学院に留学し、最先端のアンチエイジング及び予防医学について研究中。
https://activehealthlab.tokyo/
文/小松佐保(Foody Style代表)
– – – 引用ここまで – – –
Seigoの追記
質の良いタンパク質は本当に大事ですね。タンパク質が必要だからといって、お肉を食べすぎるとガンなど様々な病気にかかりやすくなります。
それはお肉の飼料やホルモン剤、抗生物質などの化学物質が影響もしています。
栄養学の丸山淑生先生は、植物性タンパク質は必須アミノ酸のどれかが不足していて質が高いとは言えないけれど、精製していない穀物と豆が2:1だと理想的だと言われています。
穀類はリジンが不足、豆はリジンは豊富だけどメチオニンとトリプトファンが不足してるけど穀類には多いので補い合えるのだそうですよ。
とは言えお肉類、特に牛や豚など赤身肉は吸収の良いミネラルやビタミンなどの栄養素があり、やはり植物だけでは補えないので、オーガニック牛など食すことは長生きするためには必要なのでしょう。
オーガニックでコストが高くなっても量は減ります。
記事ではひよこ豆を勧めてましたが、グリーンピースなどのPeaは質が高いし、ヘンププロテインもオススメですよ。
> Jarrow Formulas, 認定オーガニック エンドウ豆プロテイン、16オンス (454 g)(iHerbで購入可能)
> HEMP PROTEIN 有機ヘンププロテイン 1kg
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
《もっとくわしいプロフィールをみる》
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