2型糖尿病で炎症を引き起こす物質は何ですか? グルコースではないという研究結果

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細胞のエネルギー機関であるミトコンドリアの変化が、あるタイプの脂肪にさらされた細胞で慢性炎症を引き起こすことを示しました。これは、従来のグルコースが引き金であるという従来の説を揺るがす結果です。
この結果はスペインの研究者チームが発見し、論文に出版されました。またケンタッキー大のサイトにレビュー記事(英文)が掲載されました。今回はそのレビュー記事を翻訳しましたのでご紹介します。(翻訳のプロではないので読みづらかったらすみません m(_ _)m )
2型糖尿病で炎症を引き起こす物質は何ですか? グルコースではないという研究結果
英文執筆者:Laura Wright and Alicia Gregory
これまで、肥満および2型糖尿病(T2DM)の炎症の根本的な原因は十分に理解されていなかったということが、米国の死因第3位の2型糖尿病による合併症を防ぐための治療の開発の妨げとなっていました。しかし、ケンタッキー大学の新しい研究は、細胞のエネルギー機関であるミトコンドリアの変化が、特定のタイプの脂肪にさらされた細胞から慢性炎症を引き起こすことを示しました。これは、従来の、グルコースが引き金であるという従来の説を揺るがす結果です。
慢性炎症 は、 心血管疾患 や 腎臓疾患 、そして 歯周疾患 など、2型糖尿病の多くの重篤な合併症を引き起こすことから、治療法開発の重要なターゲットの1つとなっています。この新しいデータは、糖尿病患者の主要な治療目標として課されている厳格な血糖コントロールについて、検討が加えられる可能性があります。
この研究は、Barbara Nikolajczyk(英国Barnstable Brown糖尿病センター、薬理学および栄養科学部)およびDouglas Lauffenberger(MIT生物工学部)のチームによって、Cell Metabolism 誌に発表されました。
Nikolajczyk と Lauffenberger博士は、グルコース炎症の因果理論を反証しようとしたわけではありませんでした。他のタイプの炎症における解糖系(エネルギーを生成する10の反応シーケンス)の重要性に基づき、2型糖尿病患者の免疫細胞が、グルコースを燃やすことでエネルギーを生成すると考えたのですが、それは間違いだったのです。
2型糖尿病のモデル動物ではなく、ヒトの免疫細胞が以前の研究で特定した炎症誘発性T細胞プロファイルを持っているため、「すべての研究にヒトの患者の免疫細胞のみを使用しました」とNikolajczykは説明しています。
驚いたことにそのデータは解糖系が慢性炎症を引き起こすのではなく、ミトコンドリアの欠陥と高脂肪誘導体の組み合わせが原因となっていました。
Nikolajczykは、基礎研究と臨床科学の両方でこの研究の応用が見込めると言っています。彼女は、炎症誘発性脂質の種類を正確に定義し、2型糖尿病の重要な特徴の1つである循環、および(または)組織関連脂質とインスリン抵抗性の関連性を調査したいと考えています。またLauffenberger博士の率いる、2型糖尿病の病理学の新しい理解に役立てる新しい分析アプローチの開発に、現在進行中の脂質関連知見を活用し貢献することも望んでいます。
「糖尿病合併症のリスクを低下させるため、積極的に血糖コントロールを行うことは何十年もの間、2型糖尿病のほとんどの人々の目標となっていました。私たちのデータは、厳密な血糖コントロールをしている人が、それでも病気の進行を防げなかった理由を説明しています」と、Nikolajczykは述べています。
ーーー 翻訳ここまで ーーー
引用ニュース & 原著論文
🔵 英語ニュース:What drives inflammation in type 2 diabetes? Not glucose, says new research(University of Kentucky)Aug. 30, 2019🔵 原著論文(オープンアクセス;無料で論文の全文が閲覧できます): Neonicotinoids in excretion product of phloem-feeding insects kill beneficial insects (PNAS , 2019 )
→ 最近はGoogle翻訳の性能が良くなってきましたので、読みやすい日本語に翻訳してくれます。ご活用下さい。(Google翻訳はこちら)
Seigoの追記
2型糖尿病は解糖系が慢性炎症を引き起こすのではなく、ミトコンドリアの欠陥と高脂肪誘導体の組み合わせが原因となっているそうです。ところで高脂肪誘導体とは具体的にどういったものでしょうか? 論文の中身を閲覧するには有料だったので調べることはできませんでした。
ある種の脂肪によって慢性炎症が起こるわけですね。ミトコンドリアが調子悪くなって・・・
グルコースが慢性炎症を引き起こす説を揺るがすとありますが、慢性炎症を防ぐには糖分と脂肪分の両方に気をつけたほうがいいということなのかもしれません。
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20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
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