隠蔽されたカラギーナンの抗ウイルス&抗がん作用/発がん性ありは偽装データ?
ニュース/レビュー
カラギーナン(カラギナンとも呼ぶ)にウイルスの抑制作用があることは米国や日本ではほとんど聞きませんが、ヨーロッパではウィキペディアに記述されています。
アビガン(抗ウイルス薬)もそうですが、子宮頚がんやHIV(RNAウイルス)の薬になるような物質は、あるグループの圧力によってネガティブキャンペーンが張られている可能性があるので、常識をぶっ壊して真実のデータをここに載せることにします。
この記事のもくじ
カラギーナンとは? 製造法は?
カラギーナンの原料は赤い藻類です(上の写真)。もともとアイリッシュモス(Irish moss)という紅藻類の海藻のみがカラギーナンの原料に用いられていましたが、その後 さまざまな紅藻類から抽出されるようになりました。
ちなみにカラギーナンという名前は、古くからアイリッシュモスを利用してきたアイルランドの Carragheen という街にちなんでつけられたようです。現在でもカラギーナンのことをIrish moss extract(アイリッシュモス エキストラクト)と呼ぶこともあります。(カラギナンとは~基礎から徹底解説 より)
カラギナンは少なくともヒトの消化管ではほとんど分解されない食物繊維の一種とされており、多くの国で食品添加物として扱われています。最近の研究によると海藻類の成分は新型コロナウイルスの受容体への結合を妨ぐことが分かっておりますので、カラギーナンもそのような阻害作用が期待できますし、実際にHIVやヘルペスウイルスの感染を阻害します(後述)。
製造法
カラギーナンの製造方法は、まず紅藻類から抽出し、ろ過、精製という工程の後、乾燥させ、粉砕します。精製法は主にアルコール沈殿法またはゲルプレス法の2種類があり、それにより溶解性や物性が異なってきます。
またカラギーナンの分子構造はガラクトース(単糖)が2つ繋がった形をしていて、そこにくっついている硫酸基の数によってカラギーナンの「呼び名」と「硬さ」が違ってきますので、以下に表にしてみました。その下に分子構造を示します。
カラギーナンの呼び名 | 硫酸基の数 | 形状(硬さ) |
κ(カッパ)カラギーナン | 1つ | 硬くてももろい |
ι(イオタ)カラギーナン | 2つ | 弾力のある緩いゲル |
λ(ラムダ)カラギナン | 3つ | ゲル化せず増粘のみ |
カラギーナンの発がん性は本当か?
げっ歯類(ラット、モルモットなど)を用いた動物実験では、カラギーナンの分解物が消化管に潰瘍およびがんを引き起こすこと、またこの分解物は未分解カラギーナンから消化管で生成しうることが示されています。また未分解カラギーナンも発がんプロモーション作用があると報告されています。なおカラギーナンをげっ歯類に皮下注射すると炎症を惹起することが古くから知られ(カラゲニン浮腫と呼ばれ炎症の研究用モデルとしても用いられる)、この性質が潰瘍や発がんプロモーションに関係する可能性も考えられます。現在 IARC における発がん性リスク分類は、未分解カラギーナンについてグループ3(ヒトに対する発がん性は不明)、カラギーナン分解物についてはグループ2B(ヒトに対して発がん性の疑いがある)となっています[1][2][3][4]。しかし、
- 多くの動物実験はヒトでは不可能なレベルの大量投与により行われている
- カラギーナンによる発がんプロモーション作用はげっ歯類特有の腸内細菌叢による証拠がある
- カラギーナンによる炎症はサルでは容易に起きない
ウィキペディア(日本版)に引用されている参考文献
- World Health Organization, Geneva , 1999. IPCS – International Programme on Chemical Safety: Carrageenan (addendum). リンク(英語)
- WHO Food Additives Series: 48. Safety evaluation of certain food additives and contaminants; Carrageenan and processed eucheuma seaweed (addendum). リンク(英語)
- Tobacman, J. K. (2001). “Review of Harmful Gastrointestinal Effects of Carrageenan in Animal Experiments”. Environmental Health Perspectives 109(10): 983–994. 本文(英語) PDF書類(← オープンアクセス、PDF書類で全文が無料で読めます)
- Carthew, P. (2002). “Safety of Carrageenan in Foods & Joanne K. Tobacman: Carrageenan in Foods: Response”. Environmental Health Perspectives 110(4). 本文(英語)
- Cohen, S. M.; Ito, N. (2002). “A critical review of the toxicological effects of carrageenan and processed eucheuma seaweed on the gastrointestinal tract”. Crit. Rev. Toxicol. 32(5): 413–444. PMID 12389870
seigoの補足
上記の引用文献No.5のレビューによりますと、普通にカラギーナンを食べる分には腸から吸収されないのでなにも体に悪さをしないとあります。しかし普通ではあり得ないことですが、カラギーナンの未分解物を体内に直接注射するとがんができたとする奇妙な研究結果が報告され、それがアメリカや日本の本屋雑誌に一般的な情報として広まっています。これはカラギーナンを不健康な食品とみなそうとする何らかの圧力があるものと推察されます。ガラギーナンは抗ウイルス活性をもつ
フランスのウィキペディアより
医療用途アメリカのメリーランド州ベセスダにある国立がん研究所の細胞腫瘍学研究室で、カラギーナンが性感染症に対する殺菌剤として働くことができることを示唆しています。ラボの研究では、カラギーナンに対する幅広い抗ウイルス活性が示されています11。(文献11はすぐ下にあり)
単純ヘルペスウイルス(HSV)への治療効果
カラギーナンベースのゲルは、ウイルスの受容体と結合することにより、ヘルペスウイルス(HSV-2)の感染を防御し、ウイルスが細胞に付着するのを防ぐ可能性があります。 マウスでは、このゲルの保護の程度は85%です12。解剖学的潤滑剤とコンドーム潤滑剤にはカラギーナンが含まれており、これらの製品の一部(Divine No. 9など)は、この研究で阻害剤としての可能性があることが示されました13。(ただし、含まれていないものもあります ) (ヘルペスを参照)。
ヒトパピローマウイルスへ (HPV) の治療効果
実験室での研究では、カラギーナンが動物を使った研究や in vitro の研究でヒトパピローマウイルス(HPV)感染に対する効果的な阻害剤であることが示されています14。 2010年の国際パピローマウイルス会議(カナダ、モントリオール)で臨床研究が明らかになり、カラガードと呼ばれる解剖学的カラゲナンベースの潤滑剤が女性のHPV感染の予防に効果的であることが示されました15。 臨床研究は、Divine No9やBIOglide16などの潤滑ゲルもこれらの感染症に対して有効であることを示唆しています。臨床研究は、カラギーナンが一般的な風邪に対して効果的な物質であることを示唆しています(鼻分泌物の症状とウイルスのレベルを減少させることによって)。 オーストリアの企業であるMarinomedBiotechnologie GmbH20は、2010年に調査を行い、カラゲナンを含む鼻スプレーがコールドウイルスの治療に有効である可能性があることを示唆しました21。
HIV(ヒト免疫不全ウイルスまたはHIV)への効果
人口評議会(ロックフェラーが設立)によって実施された第III相臨床研究では、Carraguardなどのカラギーナンに基づく潤滑ゲルの性的感染、特に女性のヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する有効性を評価しました12。 2004〜2007年にかけて南アフリカの4,000人の女性12を対象に実施された調査が完了しましたが、統計的には、潤滑剤を使用している女性と使用していない女性に違いは見られませんでした17,18。結論の1つは、ゲルは感染のリスクを増加させず、副作用もないため、将来の研究で抗レトロウイルス薬を投与するための担体として使用できる可能性があるということです。他のマカク(サルの一種)の研究では、実行された臨床研究と同じカラギーナンベースのゲルの有効性を示しているのがサル免疫不全ウイルス(SIV)の研究です。ゲルの使用がHIVおよびSIV感染の増加を示した、得られた in vitro の結果とは正反対ですが、動物研究に適用された臨床研究の手順の誤りが違いを説明できるようです19。
一般的な風邪への治療効果
臨床研究は、カラギーナンが一般的な風邪に対して効果的な物質であることを示唆しています(鼻分泌物の症状とウイルスのレベルを減少させることによって)。オーストリアの企業であるMarinomed Biotechnologie GmbH20は、2010年に調査を行い、カラギーナンを含む鼻スプレーが風邪ウイルスの治療に有効である可能性があることを示唆しました21。
参考文献(ウィキペディア・フランス版)
11. 抗ウイルス剤としての多糖類:カラギーナンの抗ウイルス活性。GonzálezME、AlarcónB、Carrasco L.(1987)Antimicrob Agents Chemother 31(9):1388-93 | PMC 174948 |
「 http://www.popcouncil.org/microbicides/index.html 」(リンク切れ)
Christopher B. Buck「 カラゲナンはパピローマウイルス感染の強力な阻害剤である 」、PLoS Pathogens、vol.2、No.7、、E69 (PMID 16839203、PMCID 1500806、DOI 10.1371 / journal.ppat.0020069)。
14.J. Roberts, C. Buck, C. Thompson, R. Kines, M. Bernardo, P. Choyke, D. Lowy et J. Schiller,「 マウスモデルにおけるHPVの生殖器感染は、ノノキシノール9によって増強され、 カラギーナンによって抑制される 」、Nature Medicine, vol. 13, no 7, 2007, p. 857–861(PMID 17603495、DOI 10.1038 / nm1598)
15. Dianne Marais、Daniel Gawarecki、Naomi Rutenberg、Bruce Allan、Khatija Ahmed、Lydia Altini、Nazira Cassim、Felicity Gopolang、Margaret Hoffman、Anna-Lise Williamson。、膣殺菌剤のCarraguardは、HPV感染から女性を防御します)、第26回国際パピローマウイルス会議、モントリオール、カナダ、.
16. C. Buck, C. Thompson, J. Roberts, M. Müller, D. Lowy et J. Schiller, « カラギーナンはHPV感染の強力な阻害剤である », PLoS Pathogens, vol. 2, no 7, , e69 (PMID 16839203, PMCID 1500806,
17. 「 試験は抗HIV殺菌剤が安全であることを示しているが、目的が効果的であることを証明していない 」 [アーカイブ]、人口評議会、 (2008年3月12日にアクセス)
18. 「 実験的殺菌剤カラガードはHIVに対する保護を提供しない、研究結果 」 kaisernetwork.org、 (2008年3月12日にアクセス)
19. Stuart G. Turville、Meropi ARAVANTINOU、Todd Miller、Jessica Kenney、Aaron Teitelbaum、Lieyu Hu Anne Chudolij、Tom M. Zydowsky、Michael Piatak、「 変動しやすいin vitro活性にもかかわらずin vivoでのカラガードベースの殺菌剤の有効性 」、PLoS One、vol.3、No.9、、e3162 (PMID 18776937、PMCID 2525816、DOI 10.1371 / journal.pone.0003162)
20. ” Marinomed Biotech AG ” 、Marinomed (2020年11月4日アクセス)
21. Eccles R., C. Meier, Mr Jawad, Weinmüllner R., A. Grassauer, Prieschl-Grassauer E.「 抗ウイルス性イオタ-カラギーナン点鼻薬の有効性と安全性:無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験 風邪の初期症状のあるボランティアでの研究」、Respiratory Research、vol.11、、p. 108 (PMID 20696083、PMCID 2923116、DOI 10.1186 / 1465-9921-11-108)
カラギーナンの子宮頚がん阻害活性
ドイツのウィキペディアより
2006年8の研究では、子宮頸がんを引き起こす可能性のあるヒト乳頭腫ウイルスに対する明確な、これまでのところ完全には説明されていない抗ウイルス活性が示されました。いくつかの研究は、カラギーナンがマクロファージの活動を制御することによって体の免疫系に間接的な影響を与えることを示しています9, 10, 11。
No.9の論文にはガンの転移活性をストップさせたという論文も出ています。
8. Christopher B. Buck, Cynthia D. Thompson, Jeffrey N. Roberts, Martin Müller, Douglas R. Lowy, John T. Schiller::カラギーナンはパピローマウイルス感染の強力な阻害剤です。:PLoS Pathogens, 2.2006,7、p。E69、doi:10.1371 / journal.ppat.0020069, San Francisco.
9. L.J. Fidler et al .:マクロファージ活性化因子を含むリポソームの静脈内注射後の確立された転移の停止におけるマクロファージの関与 In:Cancer Research, 42, 1982, pp.496-501。
10. V.M.Rumjanek et al .:カラギーナン誘発免疫抑制におけるマクロファージの役割の再評価。In:Immunology, 1977年9月, 33(3), pp。423-432、PMC 1445637(← オープンアクセス)。
11. Phillip J. Catanzaro et al.:カラギーナン細胞毒性のスペクトルと考えられるメカニズム In:Am J Pathol、1971年8月, 64(2), pp. 387-404, PMC 2047576(← オープンアクセス)。
seigoの追記
カラギーナンの闇は深いです、なぜ良い面が隠され、悪い面ばかり強調されているのか理由を知らないと、正しい情報にたどり着けません。ネットで調べますと、カラギーナンは添加物の一種であり、時々「発がん性がある」という記述を日本のレビューや週刊誌の記事で見受けられます。
しかしよ〜く調べてみますとウイルスに感染しづらくする作用や、ガンを抑制するという全く逆なポジティブな研究結果が見受けられます。
特にHIVや子宮頚がんなどの医学の世界では、製薬会社の利権がかなり強くあるようで、カラギーナンのネガティブデータが強調され、さらにメディアが週刊誌などを使って(危険というワードと一緒に)情報が広められていたようです(特に日本と米国。米国では健康志向のローフーディストの間でアイリッシュモスは広められています)。
ただし最近では行き過ぎた報道が少し修正される傾向にあり、日本のウィキペディア(カラギーナン)の発がん性のデータでは「ヒトでは不可能なレベルのカラギーナンが使われている」とあり、引用論文No.5には「カラギーナンを体内に(腸を経由しないで)直接に注入するという普通ではあり得ない方法」というデータを疑う論文が引用されていました。しかしカラギーナンのポジティブな研究結果(抗ウイスル効果など)については、日本と米国のウィキペディアには一切見られませんでした。発がん性がウソなのはバレてしまったが、良い面はまだ隠しておこうというスタンスなのでしょうか?
また別の観点として、カラギーナンの構造に硫酸基が入っているのが気になります。精製されたカラギーナンが他の食品と一緒になり科学反応を起こして硫酸などが発生する可能性があるのではないかと心配になりますが、そのような記述は論文には今のところ見つかりません。
まとめ
カラギーナンの発がん性は異常な実験方法で導き出された間違った報告である可能性があります。逆に論文を調べますと、カラギーナンは抗ウイルス効果や抗がん効果などの作用をもち、超健康食である可能性が高いです。
また、新型コロナの研究で見出されている「海藻」がウイルスと受容体の結合を妨げる活性があるように、カラギーナンにも同じ活性が期待されます。(こういう情報は今の学術会議が存在している限り出てこないと思われます 😔)
まだはっきりしていないですが、増粘多糖類の添加物としてカラギーナンを使う場合、高度に精製されていて自然の状態ではないことと、精製過程で使う薬品があるなら、体が異物として認識する可能性があります。そのため、このサイトでは精製されたカラギーナンを食することを推奨しません(データ不足のため)。
それよりもやはり精製されていない自然のままの海藻や紅藻類を食べた方が、体がすでに経験しているという意味でも安全でしょう。
自然のカラギーナンが多く含まれると言われるアイリッシュモスですが、2012年頃にはカラギーナンのネガティブデータが広まり自然派の人たち(ローフーディストなど)から敬遠された歴史があります。
それではカラギーナンと上手く付き合って見方につけましょう!
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理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
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