鮭のPCB汚染に気をつけろ! 北欧で心血管系の死亡率が50%増加 (2019年最新論文)

ニュース/レビュー

今回は高濃度の血中PCBが短命と結びついているという最新研究の報告です。

スウェーデンのウプサラ大学の最新研究がプレスリリース(英文)されました。
このサイトではその貴重な報告を翻訳し、皆さんに紹介させていただきます。

またこの原著論文はオープンアクセスなので全文を無料で閲覧できます。

ぜひあなたの健康的な生活のためにご活用下さい。

ニュースタイトル「高いPCBレベルと早死の関連」

サケの脂肪組織にPCBが蓄積する(出典:Robert-Owen-WahlによるPixabayからの画像)

ニュース発表:2019/4/29

血中の高レベルのポリ塩化ビフェニル(PCB)は、早死に関連しています。 これは新しい学際的研究によって示されています。

脂肪組織に蓄えられる

これはスウェーデンのウプサラ(Uppsala)で無作為に選ばれた70歳の1,000人に基づく学際的研究で明らかになったものですが、今日のJAMAネットワークオープンジャーナルに発表されています。

この研究は、ウプサラ大学(Uppsala University)のラルスリンド(Lars Lind)教授と、モニカリンド(Monica Lind)教授と、エレブルー大学(Örebro University)の環境化学者らとの10年以上にわたる分野横断的な共同研究による一連の研究の1つです。これらの物質は長い間禁止されてはいますが、この研究はPCBに関連する健康上のリスクを明らかにするものです。

ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、多くの国で規制の対象となっている環境汚染物質のグループですが、環境中のそれらの濃度はその使用が禁止されたことによって減少しました。しかし、これらの物質は非常にゆっくりと分解し、脂肪組織に貯蔵されるので、それらは動物や人間に存在し続けます。特に、分子内に多くの塩素原子を含むPCBは、ほとんどのスウェーデン人の血液中に残存しています。

PIVUS(ウプサラ在住シニア層の血管系予測調査)として知られるこの研究では、ウプサラで無作為に選ばれた70歳以上の1,000人以上を長期間にわたって観察しました。血中PCBに関する研究については、2001年から2004年にかけて被験者の血中濃度を測定し、その後その被験者が75歳に達した時点で再び測定しました。

PCBの構造(出典:Wikimedia Commons(By D.328投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link )の画像に色をつけました)


過去10年間に死亡した人々の追跡調査から、血中に多くの塩素原子(Cl)を含むPCB濃度が最も高い個人は、他のグループと比較して、特に心血管疾患による死亡率が50%高いことが判明しました。これは10年間の追跡調査期間中でさらに7人の死亡に相当します。

この結果は、高血圧や糖尿病、喫煙、肥満、高コレステロール、低学歴および70歳時の心血管疾患など、以前に判明していた心血管疾患に関連する危険因子とは無関係でした。

以前の研究ではまた、ヒトにおいても実験動物においても、高いPCBレベルとアテローム性動脈硬化症との間の関連性を示していました。以前のこの発見と今回の研究からの新しいデータを組み合わせることで、食品中のPCBの摂取量を減らすべきであることが、今回の研究結果として示されています。

モニカリンドは、「私たち人間は、(知らない間に)PCBを食べ物から摂取しています。これらの物質は脂溶性であり、主に魚や肉、そして乳製品などの脂肪を含む動物食品に含まれています。 スウェーデン国立食品庁によると、特に高濃度のPCBバルト海のニシンのような脂肪質の魚や、汚染水域(バルト海ボスニア湾ヴェーネルン湖ヴェッテルン湖)から捕獲されたの野生のサケの中に存在しています」と述べています。

引用ニュース & 原著論文

🔵 英語ニュース:Association between high PCB levels and premature death( Pennsylvania State University )29 April 2019
🔵 原著論文(オープンアクセス;全文が無料で閲覧できます): An Associaltion of Exposure to Persistent Organic Pollutants With Mortality Risk. An Analysis of Data From the Prospective Investigation of Vasculature in Uppsala Seniors (PIVUS) Study (JAMA Netw Open. 2019;2(4):e193070. )

🔵 これまでの2つの研究グループの論文:
Endocrine-disrupting chemicals and risk of diabetes: an evidence-based review (Diabetologia, July 2018, Volume 61, Issue 7 )

Circulating Levels of Persistent Organic Pollutants (POPs) and Carotid Atherosclerosis in the Elderly(Environ Health Perspect. 2012 Jan; 120(1): 38–43.)

Seigoの追記

スェーデンやノルウェーのような北欧でとれた食品は、水が澄んでいるイメージでしょうか?

そんなことはなくPCBでかなり汚染されているよっと現地の研究者が長い間研究していて、たくさんの警告する論文を書いておられますが、それを日本の健康を扱うTV番組やニュースでは聞いたことがありません。

ヨーロッパ在住でブログを書いておられる方がノルウェーのサケはPCBダイオキシン、さらに最近はモンサントの殺虫剤で汚染されていることを報告しております。〔最も危険な食べ物・ノルウェーサーモン(とモンサント), 南ノルウェー田舎通信〕

その汚染されたノルウェーのサケはロシアでは拒否されてしまったようですが、日本では輸入される生のサーモンの90%以上がノルウェー産だそうです 😅

これが日本の都市部の高級レストランでサーブされるのでしょう。(北欧のサケはイメージがいいですからね)

ヨーロッパの魚に良いイメージを持っておられる方は上記の論文を熟読したほうが良いかもしれません。

野生で捕獲されるサケにも注意

私がショックだったのは、養殖の鮭はPCBに汚染されているのは聞いていたのですが、野生のサケまでも汚染されていたとは驚きました。サケを選ぶ時はなるべく野生もののを好んで選んでいたので、これからは捕獲された地域も考慮に入れなくてはならないでしょう 😅

このことを忘れないように、高濃度のPCBで汚染された地域を赤くしてマップ上にプロットしてみました。これら北欧のサケを口にする時やレストランで食事する時は気をつけるようにしましょう。(スマホで注文する前にこのマップをチェックすればいいのでは?)

赤い部分がPCBの高濃度地帯(バルト海、ボスニア湾、ヴェーネルン湖、ヴェッテルン湖)です。これらの地域で捕獲されたサケやニシンには気をつけましょう。(マップはクリック/タップすると拡大できます)


 

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