マイクロプラスチックによる魚の汚染の原因は? 早急な対策が必須
マイクロプラスチックが海を汚染しているという問題が上がってきています。
3月8日の国会の衆議院の予算委員会で取り上げられていました。
今や国際課題となっているマイクロプラスチック汚染は真剣にとり組まなくてはならず、プラスチックゴミを減らすことが根本ではあります。
プラスチックの生産は1950年では150万トンでしたが、2015年には3億2200万トンにもなっています。
今年1月9日にイギリスはついに「マイクロビーズ」を含んだ製品の製造を同日付で禁止しました。
日本ではあまり知られていない、しかしとっても私たちの健康に大切なこの問題を今回は取り上げます。
この記事のもくじ
マイクロプラスチックとは?
5ミリメートル以下のとても小さいプラスチックの破片です。
ペットボトルやビニール袋などのプラスチック製品が長い時間で壊れて小さくなったものから衣類のポリエステルなどから洗濯などで出たもの、化粧品のマイクロビーズなどから出ます。
世界中でプラスチック製品は多く使われており、プラスチックは分解されないので
海にどんどん増えてしまっているのです。
東京湾の魚からマイクロプラスチックを検出
東京湾では魚の6~8割、実に8割ものカタクチイワシからマイクロプラスチックが検出されているという驚きの報告があります。
さすが、日本では世界平均の27倍もプラスチックゴミを出しているだけあります。
もちろん世界中の魚でも検出されています。
大西洋北西の魚の胃から73%も検出されたそうです。
マイクロプラスチックの生物への影響
2016年の研究でマイクロプラスチックのある海で育つと魚は小さめだったり、活発でなかったりということがわかりました。
生物に炎症や体重減少などの影響があるということですね。
マイクロプラスチックに含まれる有害物質
マイクロプラスチックは分解できないので体へは吸収されませんが、一部 脂肪や内臓などに蓄積することがあります(特にナノレベルの非常に小さいものは脳などに蓄積すると言われています)。
プラスチックを製造する時に化学物質を添加しているだけでなく、
マイクロプラスチックはPCB(ポリ塩化ビニル)、ダイオキシンやDDT(農薬)を吸着しやすいので化学的に汚染した物質といえます。
つまりマイクロプラスチックから発がん性物質などの有害物質が溶け出して来ることが問題だと言えるでしょう。ですから生物の体に害をもたらす可能性が多大にあるわけです。
今後さらに汚染が増えていけば、人にも深刻な影響をもたらすことも考えられます。
マイクロプラスチックの予想される生体への害
- ホルモンの機能低下
- 生殖機能低下
- 発ガン作用
- 免疫力低下
- 成長の異常
- 不妊や奇形の増加
塩にもマイクロプラスチックの汚染が発覚
魚だけでなく世界の食卓塩にも含まれていることもわかりました。
日本、フランス、イラン、オーストラリア、南アフリカ、マレーシア、ニュージーランド、ポルトガルの8ヵ国の17ブランドの塩のうち一つを除くブランドに1~10個/kg に検出されました。
各国の対策
アメリカ、イギリス、ニュージーランドでは歯磨き粉や洗顔料に使われるマイクロビーズを法律で禁止しています。
私が住んでいたLA(ロサンゼルス)でも何年も前からレジ袋を使うとその分お金を請求されるようになり、来店する方にエコバックの使用を促していました。
また世界でレジ袋を禁止しているところもありますし、フランスでは使い捨ての容器を2020年から禁止するそうです。
まとめ
日本人には寝耳に水のような突然出てきたニュースですが、ヨーロッパでは以前から関心があり、イギリスでは「マイクロビーズ」を含んだ製品をついに今年から全面禁止となりました。
東京湾でとれる魚の6割以上にマイクロプラスチックが含まれているということは、私たちはいつの間にかマイクロプラスチックを食べていたということになります。
築地の魚料理を食べて「美味しいね」なんてのんきなことをいっている場合ではありません。
このまま何も対策もせずにいたら、10年後には魚が食べれなくなってしまうなんて悲しすぎです。
今ならまだ間に合うといいのですが、もう体に影響してしまっていたら嫌ですね。
しかし今やプラスチック製品はありとあらゆるところに使われているので、いきなり全てを禁止するわけにはいかないでしょう。
私たちもプラスチック製品をできるだけ使わないように工夫をしていきたいものです。
iPhone用の木製カバー
iPhone のケースに木製のカバーを使うとか ↓
麻(あさ)を使ったヨコカー
プラスチックの代わりとして「麻(あさ)」は車の車体として使えるくらい丈夫でしかも軽いとネットで知りましたが、安全で地球に優しい代替品ができるといいですね。
少なくとも海の生物がマイクロプラスチックを吸い込まないよう早急な対策が必要ですので、このサイトでも新しい動きがありましたら報告していきます。
マイクロプラスチック汚染のないクリーンな地球にしていきましょう!
Seigo
参考資料(新しいニュース順)
「マイクロプラスチック」が大西洋・中深海水層の73%の魚の胃に (Gigazine, 2018年02月19日)プラスチックごみから溶出する有害物質(プラスチックの海, 2017.09.10)
海水から作る食卓塩には健康への影響が懸念される微小なマイクロプラスチック粒子が含まれている(Gigazine, 2017年04月10日)
知らずに「魚」と「プラスチック」を食べ続ける愚かな人間たち。( Be inspired!, 2017年2月10日)
魚を通じて人体に悪影響を及ぼす。日本人に最も身近な有害物質 マイクロプラスチック汚染の実態(IN YOU, 2016/10/22)
東京湾の魚8割に「マイクロプラスチック」人間が食べても大丈夫なの?(J-cast, 2016/5/31)
世界初、フランス「プラスチック製使い捨て容器を禁止します」(The Huffington Post, 2016年09月20日)
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
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