亜鉛不足で新型コロナによる死亡リスクが上がることが判明! 治療時に亜鉛を摂れば早期回復へ😄【最新論文レビュー】

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今回は亜鉛が低いと新型コロナにかかりやすく、重症化もしやすいとの報告が蓄積していて、さらに治療時に亜鉛をプラスすると改善スピードが早まるというエビデンスがそろいつつあるので論文をつけてご紹介します。

スペインからの報告

コロナウイルス病に関するESCMID(欧州臨床微生物学および感染症学会)の学会(ECCVID、9月23〜25日までオンラインで開催)で発表されたスペインのデル・マール病院のRobertoGüerri-Fernández博士による新しい研究です。

2020年3月15日〜4月30日まで、スペインのバルセロナにある病院に入院した患者のコンピュータモデリングと統計分析を行いました。COVID-19の重症度は入院時に評価され、空腹時血漿亜鉛レベルは、COVID-19ユニットに入院したすべての患者の入院時(ベースライン)に定期的に測定されました。コンピュータモデリングと統計分析を使用して、死亡率と亜鉛の関係を調べました。

この期間で611人が入院し、平均年齢は63歳、332人(55%が男性)でした。総死亡率は87人(14%)でした。

この研究での249人の患者(うち21人[8%]が死亡)は611人のコホート全体を代表しており、他の患者のデータ分析は進行中であるということですが、第2波により、研究の継続が困難ということです。

249人の患者の亜鉛レベルは平均61mcg / dlでした。死亡した人々の亜鉛レベルは43mcg / dlで、生存者の63.1mcg / dlに対して有意に低かったです。亜鉛がより多いとインターロイキン-6(全身性炎症を示すタンパク質;IL-6)の最大レベルが低くなるということです。

年齢、性別、重症度、およびヒドロキシクロロキンの投与を含む統計分析は、入院時に血漿亜鉛が多いと死亡のリスクが7%減ることとの関連を示しました。入院時の血漿亜鉛レベルが50mcg / dl未満の場合、血漿亜鉛レベルが50mcg / dl以上の患者と比べ、 死亡のリスクが2.3倍増加 しました。

入院時に亜鉛が低いことは、炎症の増加と重症に相関します。つまり血漿亜鉛レベルは、本研究のCOVID-19の死亡率と関連しています。

🔵 参考資料:https://medicalxpress.com/news/2020-09-zinc-blood-death-patients-covid-.html

亜鉛と新型コロナの関係は複数の研究論文があります。亜鉛の欠乏が新型コロナの重症と関連があり、亜鉛をクロロキンなどと併用して摂取することで、感染や重症化を防いぐ傾向にあります。

新型コロナの患者は健常な人と比べて亜鉛が少ないそうです。しかも症状が重く(70.4% vs 30.0%, P=0.009)、入院日数が長いです。47人の患者と 45人の健常な  平均34歳 (18-77 歳) と 平均32歳(18-60 歳)で比較すると、亜鉛のレベルは 74.5 (IQR 53.4-94.6)μg/dLと 105.8 (IQR 95.65- 120.90) μg/dLで患者が低かったということです。80μg/dL以下だと欠乏とされます。また患者はインターロイキン-6 (IL-6) (33.3% vs 15%) が高かったです。亜鉛が少ないというのはウイルスのスパイクたんぱく質がACE2とくっつくのに有利であり、おそらく亜鉛が多いとACE2の発現が阻害され、ウイルスがくっつかなくなるからだろうということです。

🔵 参考文献:COVID-19: Poor outcomes in patients with Zinc deficiency
International Journal of Infectious Diseases, 2020 September 7 PDF書類

日本からの報告

日本の研究チームは、70 µg/dL未満の慢性亜鉛欠乏症は重症の新型コロナのリスク因子となっていることを発見しました。亜鉛欠乏は重症の予測因子になるかもしれません。

🔵 参考文献(オープンアクセス):Analysis of the predictive factors for critical illness of COVID-19 during treatment – Relationship between serum zinc level and critical illness of COVID-19
International Journal of Infectious Diseases, 2020 November 1 (出版予定日)

亜鉛欠乏は重い感染症と関係があり、亜鉛はウイルスへの1型インターフェロンの応答を高めたり、多くの経路に関係したり、亜鉛が少ないことと高いインターロイキン6( IL-6)は関係しています。IL-6は、COVID-19の重度の肺損傷に重要な役割を果たします。亜鉛はSARS-CoVのRNAポリメラーゼを阻害するため、その複製能力を阻害します。亜鉛は、亜鉛イオノフォアの抗マラリア剤の効果を高める可能性があるということです。ですから亜鉛を単独ないしは治療薬とともに摂取することは重い肺炎のリスクがある亜鉛欠乏症の人にとって役に立ちます。
🔵参考文献(オープンアクセス):A Hypothesis for the Possible Role of Zinc in the Immunological Pathways Related to COVID-19 Infection
Front. Immunol., 10 July 2020

クロロキンやヒドロキシクロロキンと亜鉛を組み合わせ、さらにアジスロマイシンなどの抗生物質と併用することはクロロキンだけよりも罹患率や死亡率を下げるのにより有効かもしれない。

🔵 参考文献(オープンアクセス):Does zinc supplementation enhance the clinical efficacy of chloroquine/hydroxychloroquine to win today’s battle against COVID-19?
Medical Hypotheses, Volume 142, September 2020, 109815

新型コロナの症状は、嗅覚と味覚障害、発熱、咳、喉の痛み、全身の脱力感、手足の痛み、鼻水、場合によっては下痢です。症状のほとんどは亜鉛で予防や軽減できるようです。しかも副作用はほとんどないことがわかっています。
亜鉛はウイルスの侵入と増殖を防ぎ、免疫力をアップすることで感染症から守ってくれます。この論文ではその仕組みについて詳しく説明しています。
🔵 参考文献(オープンアクセス):The Potential Impact of Zinc Supplementation on COVID-19 Pathogenesis
Front. Immunol., 10 July 2020

seigoの追記

腸内細菌に抜群に良い納豆ですが、亜鉛も多いのだ〜! さすが日本食 😄


日本人は亜鉛の量が70 µg/dL未満の場合に新型コロナにかかりやすくなり重症化の危険も出てくるようですね。亜鉛の量は血液検査で分かるそうですから、普段から自分の亜鉛量をチェックして健康でいましょう〜

seigoの亜鉛の摂り方

私は「大豆」と「酵母(粉末状)」から亜鉛を摂るようにしています。大豆(納豆や豆腐)を食べれない状況になったら、酵母でとるという感じです。※ 糸引き納豆の亜鉛量(20~30g中1.9mg)

動物系で亜鉛が多いのは、牡蠣(15g中亜鉛が14.5mg)やかたくちイワシの田作り(20g中7.9mg)です。(参考資料:亜鉛の働きと1日の摂取量

私が気に入っている酵母は、iHerbで売っているNow Foods製の「ブリューワーズイースト(ビール酵母)」です。

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※ 広告は効果効能を保証するものではありません。

日本ではAmazonや楽天などで売っているエビオスがお手軽みたいです。

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