牛乳に有機フッ素化合物PFASが入ってたことを米国FDAが認めた!
執筆日:2020年2月12日、更新日:2021年3月4日
ファーストフードで使われる容器やダイバーが使う潜水具には防水性(または撥水性;はすいせい=水をはじく性質)を高めるために有機フッ素化合物(PFAS)が使われている場合が多いですが、この毒性が米国で問題になっていることが報告されています。これは2年前から一般に知られはじめましたが、日本ではこのような情報は完全にブロックされているので、今回は以前の記事の復刻版を掲載します。
ーーー 2019年11月23日の記事:ここから ーーー
今まではPFASの汚染はファーストフードの食品トレイくらいだと考えていましたが、米国のFDAが食品自体にも入っていること検出したため、米国中が凍りつきました(2019年6月)。
今回はその当時のレビュー記事を発見しましたので以下に翻訳してご紹介します。またその後の2019年10月末には検査の最終結果報告があり、牛乳に高濃度のPMAS汚染があり、廃棄されたとありました。これにより食品への汚染はデマではなく事実であることが確認されました。
米国と同じような生活スタイルをしている日本人、ももちろん注意しないといけませんが、日本の省庁の対応はいつも激オソなので、PMASの規制はいつになるか分かりません。この記事をしっかり読んで自己防衛をお願いします!
アメリカの食料品がPFASに汚染されていることをFDAが確認
英文執筆者: Oliia Rosane
米国食品医薬品局(FDA)は、パー/ポリ・フルオロアルキル化合物(PFAS)が食料品店で売られている肉や魚、そしてチョコレートケーキなどから検出されたことをAP通信が2019年6月3日(月)に報道しました(AP通信のニュース)。調査結果は、まず環境防衛基金(EDF; Environmental Defense Fund)によって最初に得られ、環境ワーキンググループ(EWG)によって公表され、その後FDAによって6月3日に確認された、とCNNは報告した。
AP通信によると、FDAの検査でチョコレートケーキに国が定める基準値(飲料水のあるタイプのPFAS用にある基準値)〔Seigoの補足:あるタイプのPFASとは(水の場合)PFOA と PFOS の合計であることが多い〕の250倍を超えるレベルで存在することが判明しました。
「必要なことは、汚染がどう広がっていき、どのくらい濃度が高いか判断するための更なる研究なのです。私たちは人の全被曝量を見なくてはいけません。ただ水に入っているとかや食べ物にあるとか、ほこりにあるだけでなくて。トータルでどのくらい晒されたかを見る必要があります。」と国立環境健康科学研究所(NIEHS)のリンダ・ビルンバウム所長はAP通信に語りました。
CNNは、PFAS汚染がなぜそんなに問題なのかを説明しました。
PFASは環境中や人の体内でずっと分解されない、約5,000種の合成化学物質の総称です。PFASはペルフルオロアルキルとポリフルオロアルキル物質の略語で、PFOSやPFOA、およびGenXとして知られる化学物質が含まれ、フォーエバーケミカルと呼ばれることもあります。これらの化学物質はすべて、フッ素と炭素の特徴的な元素結合を共有しており、非常に強力な物質で、環境中や体内で分解されにくいです。
これらの化学物質は、空気やほこり、食物、土壌、および水に入り込みやすく、 体内に蓄積 します。それらは、 肝障害 、 甲状腺疾患 、 受精能力の低下 、 高コレステロール 、 肥満 、 ホルモン抑制 および がん など健康に悪影響を及ぼします。
それらは1938年に当初はノンスティックの調理器具用にデュポンによって開発されました。しかし現在では包装材からカーペット、アウトドア用品に至るまで、さまざまな分野で撥油、撥水剤として使用されています。また国防総省ではジェット火災の消火に使用される消化泡の重要な原料であるとAP通信はレポートしました。
米国環境保護庁は、飲料水中のあるPFAS〔Seigoの補足:繰り返しになりますがあるPFASとは(水の場合)PFOA と PFOS の合計であることが多い〕の安全なレベルを70ppt(0.07 µg/ L ; 70兆分の1)としています。
CNNによると、FDAの最新のPFAS調査結果は先月フィンランドのヘルシンキで開催された第29回環境毒性化学会で発表され、そのプレゼンテーションの写真を環境保護財団(EDF)が入手しました。
以下はEDFがまとめた調査結果で、食品中のPFASに関する3つの調査が含まれています。
1. FDAは、16のPFASの大部分をPFAS施設の下流のファーマーズマーケットで売っている食品から発見しました。ある品物は 1,200 ppt もありました。
2. ニューメキシコ州の空軍基地近くの酪農場の調査では、EDA当局は牛乳に5000ppt以上のPFASの一種であるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)を検出しました。またチーズにも低レベルの色々な種類のPFASがありました。
3. 2017年10月の大西洋中部の3都市のスーパーから食品のサンプリングで、PFASがチョコレートケーキに17,640ppt、PFOS は21種類中10種類の肉から検出できるレベルで、フランクフルトソーセージから134ppt、ティラピアから865pptが検出されました。
FDAの広報担当のラビン氏はAP通信に、同機関が見つけたレベルは「人間の健康への懸念レベルではありません」と述べています。
しかし、イーストカロライナ大学の毒物学者デウィット(Jamie DeWitt)氏は、重要な疑問は時間の経過による汚染の影響であると述べています。
「1杯の汚染水を飲むのは、1切れのチョコレートケーキもですが、健康上のリスクに関連する可能性は低い」とデウィット氏はAP通信に語り「個々に各商品が大きな問題にならないようですが、トータルで一生ということになれば、それは別の話になるかもしれません。」と述べています。
ーーー 翻訳ここまで ーーー
引用レビュー
🔵 英語レビュー:PFAS Chemicals Contaminate U.S. Food Supply, FDA Confirms(EcoWatch)June 04, 2019Seigoの追記
チョコレートケーキに高レベルで発見された有害物質は「PFPeA」という種類のものであると環境ワーキンググループ(EWG)が報告しています。そして、FDAはこのことに関して追加の報告を2019年10月31日にしており、チョコレートケーキに関しては、
In addition, the final results include updated data for a single chocolate cake sample and a single chocolate milk sample tested as part of the sampling of foods from the Total Diet Study. With additional research, we were able to determine that chocolate appears to produce false-positives in the method, affecting results for both of these foods.
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和訳:最初、チョコレートケーキのサンプルは1つのタイプのPFASに対して高い値を示しましたが、チョコレートを含む食品には検出可能なPFASは存在しないと判断しました。
Dairy Survey: For the survey of dairy samples analyzed from two farms with PFAS contamination of groundwater, the final results indicate that the milk samples that were previously determined to be a health concern still had high levels of at least one PFAS, with our conclusions unchanged. All milk samples that were determined to be a potential human health concern were discarded and did not enter into the food supply.
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和訳:乳製品調査:PFASで地下水が汚染された2つの農場から分析された乳製品サンプルの調査について、最終結果は、健康上の懸念があると以前に判定された乳サンプルには、少なくとも1つのPFASが高レベルであり、結論は変わらなかったことを示しています。人間の健康への潜在的懸念があると判断されたすべての牛乳サンプルは廃棄され、食料供給には入りませんでした。
とありますので、牛乳にはPFASが検出され廃棄されたとのことです。(廃棄するくらいですからかなり多量のPFASが検出されたと考えられます。)
放射能のように忍び込んでくるPFASに注意!
このようなことから、今まではファーストフードのお皿くらいにしかPFASの汚染はないであろうと考えれていましたが、米国の場合は飲料水にまで汚染が進んでおり、飲料水に含まれていると言うことはほとんどの食品にすでに入っていることとなり大変なことになっております。さらに基地の近くでは消化剤として絶対に必須の物質としてPFASは使われているようなので、その周辺で飼っている牛にはものすごい濃度で牛乳から検出されてしまうとは驚きです。
まるで放射能のように知らない間に私たちの生活に入り込んでしまうことがはっきりしました。
さらに厄介なのはPFASは私たちの体に蓄積しやすく(放射能なら放射性物質の入っていない食事をすればほとんどは取り除けますが、PFASはそうはいかない)、自然界にも分解されずにずっと1000年以上も残るそうなので問題です。
PFASが体に入った場合は次の様な病気が発症する恐れがあるそうです。
PFASが体に入った場合に懸念される病気
肝障害 、 甲状腺疾患 、 受精能力の低下 、 高コレステロール 、 肥満 、 ホルモン抑制 、 ガン
これあらの物質が私たちのどこに使われているか気をつけて生活をする必要があるでしょう。
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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