ピープロテインとソイプロテインの違いは? 6つのプロテインの特徴
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ピープロテインとはエンドウ豆に含まれるタンパク質のことです。
今このタンパク質がベジタリアンやヴィーガン(動物を一切食べない主義の人たち;卵やハチミツも食べない人たちもいる)の人々から注目されています。
このプロテインは動物性プロテインに変わり得るのでしょか?
この記事のもくじ
ヴィーガンも摂取可能な「ピープロテイン」とは?他のプロテインとはどこが違うの?
友人の仕事仲間に、ベジタリアンの米国人の男性がいます。彼とパーティをすることになったのですが、彼の目の前で肉を美味そうにがっつり食べるのも気が引けるので、友人にいろいろと尋ねてみました。
30代の米国人の彼は奥様も連れてきたいとのことでしたので一同賛成しました。奥様もベジタリアンですが、さらに厳しい「ヴィーガン(絶対菜食主義者)」だそうです。ヴィーガンとは、肉はおろか酪農製品(たまご、牛乳、チーズなどの乳製品)も食べないベジタリアンだそうです。
ちなみに、ベジタリアンは健康志向に主眼を置きますが、ヴィーガンは牛や鶏などの動物に思いやって生きる動物愛護の精神を持つ人のことだそうです。ですからなんとハチミツもダメなんだそうです。それで彼らは生きるために必要なタンパク質をどのように摂取するのか興味が湧いてきたのでした。
タンパク質は身体にとって欠かせないもので、不足すると様々な身体の不調をきたします。スポーツを志している方では身体づくりが上手くいかなかったり、ケガをしやすい体質になってしまいます。
そこでタンパク質を補うために、アスリートやフィットネス女子(筋トレ女子)は、様々なプロテイン(タンパク質)を活用します。プロテインの語源は、古代ギリシャの「最も重要なもの(プロテイオス)」という意味の言葉です。筋肉はもちろん身体のあらゆるところに必要な栄養素なのです。
先ほどの絶対菜食主義のヴィーガンが、タンパク質不足を補うための100%植物性のプロテインがあるのです。それが「ピープロテイン」で、エンドウ豆から抽出されたタンパク質です。この「ピープロテイン」に関して、後ほど詳しく解説します。
タンパク質の必要量は?それを補う方法は?
タンパク質は日々の活動で代謝されてなくなるので、毎日新しいタンパク質を補う必要があります。タンパク質の必要な量は、脂肪を除いた体重1kg当たり1gと言われています。つまり徐脂肪体重60kgの方では、60gのタンパク質が必要です。激しい運動をする場合、徐脂肪体重1kg当たり2gほど必要で、徐脂肪体重60kgの方なら120gが目安となります。
徐脂肪体重は、「体重×(100-体脂肪率(%))÷100」で計算できますが、分からない時には厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015」で推奨されている成人1日当たりの平均必要量(男性50g、女性40g)を目安に考えればよいでしょう。
しかし、食事でタンパク質をまかなうためには、ステーキや魚の肉を400gほど、たまごなら10個ほど、納豆では8パックほど、牛乳なら2リットルは飲まなければなりません。3食に分ければよいのですが、カロリーオーバーで無駄な脂肪が付いたり、体内酸化や飼料やホルモン剤、抗生物質などによる健康上の問題もあるので現実的にはかなり厳しいです。そこで、体脂肪も増やさずに筋肉量を増やす方法として脚光を浴びているのが、タンパク質をプロテインで補うことです。
代表的なプロテインは、
① ホエイプロテイン
牛乳の乳清から精製され、水に溶けやすいことと吸収が速くて筋肉を作るための必須アミノ酸BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの分鎖アミノ酸)が豊富に含まれています。② カゼインプロテイン
牛乳の乳清以外の成分で作られ飲みやすいのですが、乳糖で下痢しやすい人には不向きです。吸収が遅くアミノ酸やグルタミンが豊富に含まれています。以上の3種のプロテインが有名ですが、身体づくりに人気なのはやはり「ホエイプロテイン」で、パウダーを水でシェイクして飲んでいるようです。
③ 卵白プロテイン
高品質なタンパク質を含み、特にBCAAや筋肉になりやすいアルブミンが豊富です。低脂肪、低糖質です。④ ソイプロテイン
大豆を原料とした昔からの代表的なプロテインで、水に溶けにくいので飲みにくく、味や臭いも独特でクセがありました。吸収は比較的遅いのですがアルギニンが豊富で代謝を促進するのが特徴です。⑤ ライスプロテイン
アミノ酸スコアとしては動物性プロテインに劣るとはいえ必須アミノ酸のバランスが良く、昔からタンパク源として玄米は親しまれてきました。ビタミン・ミネラルが豊富で消化にやさしいです。ホエイプロテインとは逆に腸内環境も整えてくれます。様々なプロテインの中でも話題の「ピープロテイン」とは?日本では認知度が低いが欧米では注目されている!
ホエイプロテインやソイプロテインは、アレルギーの方が結構多いようです。乳糖不耐症の方は、牛乳を原料とするホエイプロテインは避けます。日常で大豆や乳製品を含むものを食べる機会は非常に多いですが、エンドウ豆などのピー(pea)は頻繁に食べないのでアレルギーが少ないです。そのため欧米ではソイプロテインに代わる植物性プロテインとして非常に注目されているのです。
ピープロテインの特徴は、筋肉量を増やすために重要なBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの分鎖アミノ酸)は、ホエイプロテイン並みに含まれているところです。また、ホエイプロテインに含まれるアルギニ
ン(タンパク質の合成を促す成分)は、ホエイプロテインの約3倍も含み、集中力を上げる必須アミノ酸のリジンも豊富です。
それ以外にも、ピープロテインは食生活で不足しがちな鉄やマグネシウムも多く、動脈硬化に影響を与えるコレステロールや飽和脂肪は含まれていないのも特徴です。ピープロテインはアレルゲンや乳糖を含まないので、胃に優しく消化しやすいプロテインと言えます。
ソイプロテインと比べると、ピープロテインはアレルゲンのリスクが小さいことと、生産に必要な土地や水が少なくて済むことから、環境への負荷が少ないプロテインだと評価されています。
ピープロテインの欠点としては、
・エンドウ豆独特の風味があること(美味しくないと感じる方も多いかも)・水に溶けにくい
・タンパク質含有量が約80%と低い。(ホエイプロテインは約95%、ソイプロテインは約90%)
必須アミノ酸のバランスを示すアミノ酸スコアでは、ホエイやソイプロテインが満点の100であるのに対して、ピープロテインはメチオニンの含有量が少ないために約90と低くなります。しかし、現実的にはメチオニンを含む米や魚、肉を食べていれば、あまり問題にはならないと考えます。
アレルギー症状の人がタンパク質を補う場合には、
ピープロテインを上手に活用すればよいと思います。
Seigoの追記
ビーガンでも筋肉むきむきの方はいらっしゃいますね。牛やゴリラも筋肉すごいです。普段の生活でタンパク質を意識して摂りたい方はアレルギー性も低く栄養価の高いピープロテインがおすすめです。
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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