甜菜糖(てんさいとう)とオリゴ糖の違いとは? 注意点や危険性も解説

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健康食品は巷に様々あふれています。

中でも有名なのはオリゴ糖というのがありますね。同じく甜菜糖というのもあります。

甜菜糖はあまり聞きなれていない言葉かもしれません。

ここでは、甜菜糖とオリゴ糖の違いは何なのかについて紹介していきます。

甜菜糖とオリゴ糖って?

甜菜の根っ子に甘さ成分が凝縮されている(出典:Wikimedia Commons, by USDA, Link

甜菜糖とは

読み方は「てんさいとう」といいます。甜菜は日本では主に北海道だけで生産されている野菜です。「砂糖大根」と呼ばれる程甘みがあり(英語ではSugar beet, シュガービート)、葉で糖分とでんぷんを作ったら葉脈を通って根に糖分を蓄えます。その蓄えた糖が甜菜糖の甘み成分です。

甜菜糖は北海道のような寒冷地の作物なので、体を温める作用があるそうです。逆にサトウキビは暖かいところでできるため体を冷やすと言われています。冷え性の方や、日頃からがん予防に心がけたい方は、体を温める作用のある甜菜糖が向いています。

つまり甜菜糖は、甜菜(てんさい)という植物の根から抽出された甘味料なのです。

オリゴ糖とは

糖の最小単位である単糖が2〜10個が結びついたものをオリゴ糖と呼びます。明確な基準はなく曖昧な部分があるので、オリゴ糖とひとくくりに言うものの厳密には様々な種類のオリゴ糖(フルクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖など)が存在します。オリゴ糖は砂糖の様に甘く、砂糖の代替として一般に使用されることが多い甘味料です。

つまりオリゴ糖とは、短い単糖が2〜10個ついた(腸内細菌のエサになりやすい)糖質が多くふくまれた甘味料のことです。

甜菜糖とオリゴ糖の違いについて

オリゴ糖(出典:by toraemon/写真AC)


糖質を摂取するのであれば、健康的で量が少ない方が健康にはいいです。そこで、甜菜糖や、オリゴ糖を使用する人もいると思いますが、この2つの違いは何なのでしょうか。

精製方法の違い

🔵 甜菜糖大根のような植物を煮詰めて精製していく方法があります。砂糖よりは甘み少ないですが、その分栄養価が高いです。

🔵 オリゴ糖微生物を使い発酵させ、でんぷん、砂糖、乳糖などを精製させて工業的に作り出しています。
オリゴ糖は以下のような種類があり精製法はそれぞれ違っています。

イソマルトオリゴ糖(消化性オリゴ糖):はちみつや味噌、しょう油等に含まれているオリゴ糖工業的にはトウモロコシから作られることが多い。特定保健用食品に認可を受けているブドウ糖を主体とするオリゴ糖。

ガラクトオリゴ糖(以下は全て難消化性オリゴ糖):母乳や牛の初乳に多く含まれるオリゴ糖。工業的には乳糖を酵素反応させて作ることが多い。乳糖が2〜6個つながった形をしている。

ビートオリゴ糖:ビートはこのページで記述されている甜菜から作られるオリゴ糖のことです。大腸で最も早くビフィズス菌のエサになるのはこのビートオリゴ糖であると言われています。

フルクトオリゴ糖タマネギ、にんにくなどに含まれているオリゴ糖。砂糖に果糖が1個以上、手をつないだ状態のオリゴ糖で、砂糖に近いくせのない甘味が特徴です。特定保健用食品に認可を受けています。

〔参考資料:オリゴ糖危険.com


栄養価の違い

🔵 甜菜糖の栄養価
次のグラフは上白糖甜菜糖の栄養成分の違を示します。
栄養成分比較表(100g中)
項目 てんさい糖 上白糖
エネルギー 390 kcal 384 kcal
タンパク質 0 g 0 g
脂質 0 g 0 g
炭水化物 97.5 g 99.2 g
ナトリウム 15~85 mg 2 mg
しょ糖 85 g 97.6 g
オリゴ糖 5 g 0 g
水分 2 g 0.8 g
カルシウム 0.5~1.5 mg 1 mg
カリウム 5~65 mg 3 mg

〔引用:自然食品・有機米「かねこや」ホクレンてんさい糖

表から分かりますように、甜菜糖ミネラル分が多いことがわかります。また甘み成分は、砂糖(上白糖)ではショ糖が多いですが、甜菜糖はショ糖が減る代わりにオリゴ糖が増えていることが分かります。

🔵 オリゴ糖の栄養価
オリゴ糖には腸内環境を整えるビフィズス菌を増やす効果を持っています。

オリゴ糖は上記で示しましたように、いろいろな食材から作られるので、それぞれの栄養価は抽出した原料によって多少変わります。タマネギ、にんにくなどから注出されたオリゴ糖には食物繊維が含まれている場合が多いです(約0.1〜0.5%)。(日本の食品成分表にはオリゴ糖の記載がないため正確な値は分かりません)

GI値の違い

GI値は食品に含まれている糖質の吸収度合いのことを言います。この数値が高い程吸収値が高く [高GI]、低い程 [低GI] と言われます。

基本70以上が [高GI] で、55以下だと [低GI] と言われます。甜菜糖のGI値は65となっています。オリゴ糖のGI値は10となっています。砂糖のGI値が約110なので、両方ともGI値は低いと言えますが、オリゴ糖の方が甜菜糖よりも低いので血糖値を上げにくいのです。

糖質制限をするならどちらがいい?

イメージ画像(出典:by soraran/写真AC)


甜菜糖とオリゴ糖のどちらがより糖質制限に向いているのでしょうか。

甜菜糖の場合

砂糖の代わりに料理に使用できるくらい、甜菜糖にはクセなくほどよい甘みです。食物繊維も入っていますので腸内環境を整え、ダイエットの手助けになります。また、ミネラル等の不足しがちな栄養素も補ってくれますので、糖質制限ダイエット向きと言えるでしょう。

オリゴ糖の場合

オリゴ糖も糖質制限ダイエットに向いています。甜菜糖よりもGI値が低いので、糖の吸収がより穏やかになりインスリンスパイクを防ぐことができます(インスリンスパイク:血糖値が急激に上がることによって血管などにダメージを与える現象)。

だからといって多く摂取してしまうと、腸内細菌のバランスが崩れ、下痢になる場合もありますので注意が必要です。

まとめと注意点

てんさい糖(出典:by ななほしてんとう/写真AC)


甜菜糖とオリゴ糖は砂糖の代わりになり、GI値を抑えつつも美味しい甘さが得られるところが一番のメリットです。

さらに甜菜糖が健康的な理由は、砂糖のような過度な漂白工程がないところが魅力で、そのおかげでミネラルや自然のオリゴ糖も含まれています。また体を温める作用があるので冷え性やがん予防に向いているとされています。

オリゴ糖はさらに精製されたもので、病気の治療用に使えるような高品質のものもあり、腸内細菌を整える目的の上では重宝する甘味料となっております。

ただオリゴ糖取り過ぎると副作用が起きることがありますので、摂る量を調整する必要があります。

甜菜糖の注意点

🔴 国内産の甜菜糖の注意点は農薬です

甜菜糖はもともと寒冷地の作物で緯度の高いヨーロッパなどが主な産地でしたので、北海道はその中でも最南に位置しています。そのため害虫の被害に合う割合も高いので、害虫予防に農薬が使用される場合が多いのです。

🔴 外国産の甜菜糖の注意点は遺伝子組み換え製品(GMO)です

日本では遺伝子組み換えされた甜菜の商用栽培が認められていませんので、GMOが入り込む可能性は少ないのですが、外国産の甜菜糖は(Sugar beet, シュガービートと呼ばれる)遺伝子組み換え(GMO)製品が多いので、「無農薬」と書かれていてもGMO製品である可能性があります。

外国産のシュガービートが食品に形を変えて入っていれば、GMOと表示されていないことが多いです。健康食品売り場で「無農薬」と書かれていても安心できません。

⭐️「有機」や「オーガニック」と書いていれば農薬や使っておりませんし、遺伝子組み換え(GMO)製品も除外できますので、「有機」や「オーガニック」と表示してある甜菜糖(シュガービート)を選びましょう。

Amazonでは有機の商品は見つかりませんでしたが、楽天で1点だけ有機のてんさい糖を見つけましたので、そのリンクを貼っておきます。

オリゴ糖の注意点

🔴 オリゴ糖の注意点は添加物です

原材料を見ていただいて、100%のオリゴ糖なら良いのですが、製品によっては30%くらいしか入っていないものがあります。その場合は他の成分として、保存料(ソルビン酸k)甘味料(アセスルファムkやアスパルテーム)などの添加物が入っている場合がほとんどなのです。

よって購入する前は原材料を確かめ、無添加のオリゴ糖を選びましょう。

⭐️ 子供用として売られている商品の中に無添加のオリゴ糖が2つ見つかりました。以下にその2つリンク(バナー)を貼っておきます。


 

 

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