クロレラの5つの健康効果は? スピルリナとの違いからお勧め市販サプリまで【科学的根拠・論文引用あり】
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前回のスピルリナと同じように、クロレラという藻類のスーパーフードは日本でも一時期ブームになったことがあります。
4月28日のYouTubeビデオでお示ししましたように(動画の10分30秒くらいから)、今回の新型コロナから守ってくれたのは海藻の栄養分でおかげである可能性が疫学的にも(または海藻の栄養分の研究からも)非常に高いので、海藻類であるクロレラやスピルリナの情報は非常に大切だと考え、今回はも掘り下げてお伝えしております。
今回は特にクロレラの期待される健康効果やスピルリナとの違いについてご紹介していきます。
この記事のもくじ
クロレラとは?
クロレラが誕生したのは約20億年前と言われています。19世紀末にオランダの科学者によって発見されました。
クロレラは緑藻〔りょくそう = 葉緑素があり緑色に見える藻(も)の総称〕の仲間で、湖や沼、川などにいます。植物なので光合成によって驚異的に増え、20〜24時間ごとに細胞が4倍の量になる能力をもつ驚異的なスピードで増えていく丸い単細胞のプランクトンです。大きさは直径2〜10μmとスピルリナの1000分の1も小さいです。
これらを人工的に培養し粒状にしたのが、皆さんが知っているクロレラです。非常に栄養素が豊富に含まれており、健康志向の方にはうってつけのスーパーフードです。
では、クロレラにはどのような成分が含まれているのでしょうか。
クロレラの栄養成分
タンパク質
タンパク質は筋肉を作ったり健康を維持する上でかかせません。筋肉を作るには動物性タンパク質がより良いですが、動物性タンパク質で筋肉量が増えると、筋肉は脂肪よりも重いので体重が増えます。筋肉にこだわりがなく体重を減らしたい方は、植物性タンパク質がオススメです。クロレラは60%もの植物性タンパク質を含み、必須アミノ酸も必須でないアミノ酸も多くバランスよく摂ることができます。ビタミン類
クロレラは特にβカロテン、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンK1が多くビタミンCやビタミンE、葉酸も含みます。βカロテンは人参の5倍くらい入っています。ミネラル類
クロレラは特に鉄、亜鉛が多く、鉄はほうれん草の35倍でクロレラ28gで一日に必要な量の200%もあり、亜鉛は牡蠣の8倍くらいで一日に必要な量の130%もあります。カルシウム、マグネシウム、リン、銅、マンガンなども含みます。ミネラルは骨や歯を形成する上で大事な栄養素の一つです。抗酸化物質
クロレラは強い抗酸化作用のあるクロロフィルが葉野菜よりも多いです。他にもβカロテンやルテインなどのカロテノイド、ビタミンCなどいろいろな抗酸化物質を含みます(論文 ← オープンアクセス;論文の全文が無料で読めます)。オメガ3
クロレラは3gでオメガ3が100mg摂れます。(1日2gくらいのオメガ3が必要)食物繊維
クロレラには食物繊維も含まれています。クロレラの5つの健康効果 (論文引用つき)
クロレラはどのような方が摂るとベネフィットが得られるでしょうか。
① 生活習慣予防
クロレラには抗酸化作用があり血圧を下げる効果があるとする研究データがでています。また、血管を拡張したり、柔らかくする働きもあり、血流に深く関係します。血圧を下げることにより、心筋梗塞や、脳梗塞予防になるので肥満や高血圧等で悩んでいる方に向いています。🔵 軽い高血圧の人が毎日クロレラ4gを12週間服用すると、血圧が低くなったというデータがあります(論文)。
🔵 また血糖値を改善したり(論文)、コレステロールを下げたり(論文)なども報告されています。
② 免疫力アップ
研究では免疫を強くする効果がなかったという結果も出ていますが、抗体を多く作った(論文)、NK細胞の活性化とインターフェロンγやサイトカインを増やした(論文)、55歳以上はダメだったが50〜55歳では免疫が活発になった(論文)といった研究が報告されています。クロレラにはCGF(クロレラ・グロース・ファクターchlorella growth factor)(論文)という成分が含まれており、ウサギや鶏では成長を早くするという効果はでませんでしたが、免疫を強くし健康に保つそうです(論文)。
③ 重金属などのデトックス
クロレラはヒ素、カドミウム、鉛、水銀などの重金属の排出を助け、自然治癒力を高めることで毒から体を守ってくれるかもしれません(論文)。マウスの実験で血中のメチル水銀がクロレラで下がり、肝臓はそうでも無いですが、腎臓や脳でメチル水銀が減ったという報告があります(論文)。また鉛からマウスを保護するということです(論文)。マウスの肝臓や脳、腎臓の鉛やカドミウムの毒性を弱めるということが確認されています(論文)。また重金属だけでなく、体内にあるダイオキシンなどの内分泌撹乱物質のような有害な化学物質の量を減らすということもわかりました(論文)。
④ 抗酸化作用
クロレラに含まれるクロロフィルなどいろいろな抗酸化物質によって様々な慢性疾患のリスクを下げたり(論文)、老化を加速させる原因の終末糖化産物(AGE;Advanced Glycation End Products)をできにくくする働きがあるそうです(論文)。クロレラは酸化によって起こる遺伝子のダメージから守ったり、老化の指標となるテロメア遺伝子が短くなるのを防いだりすることが細胞培養の実験で明らかになっています(論文)。
また喫煙者の抗酸化を高めることで、ガンや心血管系の病気から守ってくれるかもしれません(論文、論文)。
⑤ 抗炎症作用
クロレラの抗酸化物質や多糖類は炎症性サイトカインを抑制するので、抗炎症作用があります(論文、論文)。これらの物質が酸化と炎症という2大の老化を進める現象から体を守るのでアンチエイジングに役立つかもしれません(論文)。クロレラとユーグレナ, スピルリナの比較表
クロレラとスピルリナは両方とも栄養価の高い吸収の良いマイクロフードです。光合成をするという点でも共通点が多いです。たんぱく質も脂肪酸も多く、質の良いアミノ酸がバランスよく入っています。そんな細胞の成分を丸ごと頂けてしまうということで、私たちの細胞にとってとってもありがたい存在です。細かいところで栄養の成分や量は違ってきます。さらにミドリムシとも言われるユーグレナも軽く比較しておきますが、組み合わせてとったりするとさらにマルチビタミン&完全栄養食品としていいかもしれません。光合成はしませんが、ビール酵母などの酵母もマイクロフードで特にビタミンB群、亜鉛、葉酸が多いので、緑のマイクロフードと組み合わせて摂るのは良いアイディアだと思います。甲田療法ではスピルリナとビール酵母(製品名はエビオス)を取り入れていました。単体でとるのもよし、組み合わせてもよしのマイクロフードを楽しみましょう。
クロレラ | スピルリナ | ユーグレナ | |
分類 | 緑藻植物門クロレラ属 | 藍藻綱ユレモ目アルスロスピラ属 | ユーグレナ植物門ユーグレナ藻綱(鞭毛虫) |
細胞 | 単細胞 | 多細胞 | 単細胞 |
大きさ | 直径2~10μm | 体長0.3〜0.5mm&幅5μm(0.005mm) | 体長0.06~0.09mm &幅0.01~0.02mmv |
細胞壁 | あり | あり | なし |
色素 | クロロフィル, カロテノイド | クロロフィル, カロテノイド, フィコシアニン | クロロフィル, カロテノイド(ジアトキサンチン) |
特有成分 | CGF | フィコシアニン | ジアトキサンチン, パラミロン(βグルカン) |
特に多い栄養 | ビタミンA, B2, ビタミンK1, 葉酸, ビオチン, 鉄, 亜鉛 | ビタミンK1, K2 | B2, ビタミンC, D, E, 葉酸, βカロテン, 亜鉛, マグネシウム, 鉄, 銅 |
クロレラとスピルリナの違い
クロレラはスピルリナに比べてカロリーが高く、圧倒的にビタミンAが多いです()。またクロレラは鉄や亜鉛もビタミンB12もスピルリナより多いです。正し銅の含有量はスピルリナのほうが多いです。(下の表を参照)日本のサイトからデータを探すとスピルリナの値が上になるように変更されている可能性があるので(スピルリナの業者が多いから?)、米国のHealthlineのレビューサイトから公平なデータを以下に示します。1日の摂取目安(DV)も載せました。
28グラムを摂取した場合のカロリーと1日の摂取量の比較データです。(参考資料1, 2)
DV = daily value, 一日の摂取量
クロレラ | スピルリナ | |
カロリー | 115カロリー | 81カロリー |
タンパク質 | 16グラム | 16グラム |
炭水化物 | 7グラム | 7グラム |
脂肪 | 3グラム | 2グラム |
ビタミンA | 1日の値の287%(DV) | DVの3% |
リボフラビン(B2) | DVの71% | DVの60% |
チアミン(B1) | DVの32% | DVの44% |
葉酸 | DVの7% | DVの7% |
マグネシウム | DVの22% | DVの14% |
鉄 | DVの202% | DVの44% |
リン | DVの25% | DVの3% |
亜鉛 | DVの133% | DVの4% |
銅 | DVの0% | DVの85% |
まとめ
クロレラには栄養素が豊富に含まれています。生活習慣病を気にしている人や、肌ツヤにも効果があるので、これを機会にクロレラを飲み始めてみるといいでしょう。広告
以下のリンクは効果効能を保証するものではありません。ネットから手に入るクロレラ
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Sunfood製, 約4300円
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八重山クロレラ 300粒
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ミドリムシのちから 100粒
ユーグレナ 1ヶ月分 ¥2,700
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ブリューワーズイースト(ビール酵母)
Now Foods製, 約790円
iHerb
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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