うつ病が10年続くと脳が変質する! 変質の正体は?《論文速報シリーズ》
執筆日:2018年3月6日、更新日:2021年4月13日
農薬や電磁波(5G)、そしてコロナによるストレスなどなどうつ病になる要因が増えてきております。このサイトにすでに紹介されたうつ病の大切な論文の復刻版を掲載します。ーーー 2018年3月6日の記事より ーーー
今日はLancet Psychiatryという科学論文からの報告である(2018年2月26日発表)
10年以上長期にうつ病を患っている人は10年以下の人より脳が変質していることが発見された。今日はこのことについてまとめたのでご報告したい。
何を調べたか?
長い間うつを患っている人の脳の変化具合を調べるために
カナダのトロントで3つのグループが比べられました。
・Bグループ:うつ病の症状が出ている期間が10年以内の25人
・Cグループ:うつ病の症状がない30人
方法
「脳の炎症」はミクログリア活性化のマーカーであるトランスロケータータンパク質(TSPO)総分布量(VT)をポジトロン断層法(PET)によって調べて求められた。
結果
- Aグループ は、TSPO VTは、前頭前野皮質、前帯状皮質、および島皮質 において、Bグループよりも29~33%高かった
- Cグループと比較して、Aグループの3つの原発性灰白質領域において炎症部位が31-39%も大きかった。
解説
脳の脊髄中(脳の中の方)にある免疫細胞(ミクログリア)が存在します。
怪我をするとその細胞は活性化し、TSPO(18 kDa-translocator protein)というタンパク質が増えます。
ある薬剤でTSPOタンパク質が増えているとPETの画像で見ることができます。
それでAグループはBグループより約30%TSPOが高かったという結果が得られました。
つまり長きに渡ってうつを患ってしまうと脳の炎症が増えるのです。
ということは進行したうつ病では従来の治療に加えて抗炎症の薬が必要になるだろうということです。
結び
炎症反応を起こしやすいものはよく口にする食品に入っています。
食事によく使う砂糖、小麦粉や乳製品コンビニ製品に入っている添加物です。
しかしこういう食品の話は議論されず、症状を抑えるだけの治療薬ばかり開発されるのが現代の状況です。
実はうつ病は食事や生活習慣を変えることで治ってしまうかも知れないというのがこの論文を読んだ私の感想です。
皆さんはこういう知識を知って、うつ病とは無縁のハッピーな人生を送ってしまいましょう!
Seigo
参考文献
Lancet Psychiatry. 2018 Feb 26.
日本語サマリー
うつ病は進行し何年も患うことで脳は変質してしまう(Gigazine)
20余年アメリカで遺伝子治療&幹細胞の研究者をやってきました。
特に遺伝病の間違った遺伝子をピンポイントで修復し、元に戻す技術開発です。
理学博士(Ph.D. )
アメリカ生活で学んだアンチエイジングなど健康に関する知識をシェアしたいと思います。
巷の情報もご紹介、時にはブッた斬ったりしてしまうかもしれません。
またポイントなどの節約術や生活に便利なガジェット(スマホやアプリの紹介)も記事にしますので参考になれば嬉しいです。
皆さん、ご一緒に「究極のヘルシーライフ」を楽しみましょう♪
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