西洋型の食事が死亡リスクや重い敗血症を増やすという研究結果

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タンパク質を多く摂るダイエットが最近日本でも流行っていますが、油の多い肉料理が本当に良いのか、西洋型ダイエットを検証する研究が出ましたので取り上げました。

最新論文のレビューがニュース(英語)でレポートされておりましたので、今回はそれを和訳したものをご紹介します。

ニュースタイトル:西洋型の食事が死亡リスクや重い敗血症を増やすという研究結果

脂肪分と糖分の高い西洋型の食事は肥満の原因となります。しかし、ポートランド州立大学の研究者によると、人によっては西洋型の食事が原因で重い敗血症を発症するリスクが高まることもあります。

学術論文「PNAS」の2月11日版に掲載されたこの研究は、西洋型の食事が敗血症の重症度と治療成績にどのように影響するかを詳しく観察したものです。敗血症は感染と闘うための身体の反応によって、ショックや臓器不全につながる可能性があります。この病気は世界的に多い死因の11番目に挙げられています。

ポートランド州立リベラルアーツ科学大学(PSU’s College of Liberal Arts and Sciences)微生物学科のブルックネイピア(Brooke Napier)助教授は、スタンフォード大学医学部(Stanford University School of Medicine)の微生物学科と免疫学科でこの研究の首席著者であるデニスモナック(Denise Monack)教授の研究室で博士研究員としてこの研究を実施しました。このプロジェクトはネイピア助教授がPSU の研究室で引き続き研究が為されています。

この研究は西洋型の食事食物繊維が少なく、脂肪と糖分が多いのが特徴 ― を与えられたマウスは、通常の食事を与えられたマウスよりも慢性炎症や重篤敗血症において大幅な増加、そして死亡率においてはより高い数値を示しました。ネイピア助教授はこの調査結果から、マウスがより重い敗血症で早死にした原因は肥満や常在菌ではなく、食事の何かが示唆されるとしています。

彼女は「西洋の食生活におけるマウスの免疫システムは、機能が違って見えました」として、「西洋式食事が免疫細胞機能に影響しているように見え、敗血症の影響を受けやすくなり、敗血症になるとより早く死ぬ結果となります」と述べています。

ネイピア助教授は、これらの所見は患者の敗血症がすでに進んでいるようなので集中治療室の患者の食事をよりよく管理する一助となると述べています。

彼女は「脂肪分と糖分が多い食事が敗血症罹患性の昂進(こうしん;増して進むこと)と死亡率の増加に相関していることを理解することによって、集中治療室の患者が摂取している脂肪と脂肪分比率が適切であるか否かを確かめることができます」として「ICU 患者に食事指導を導入して免疫システムが操作される機会を減らすことができれば、その結果に何らかの影響を与えることができます」と述べています。

ネイピア助教授とその研究チームはまた、重度の敗血症またはより積極的な治療を必要とする患者のために予測因子またはバイオマーカーとして使えるような分子マーカーを西洋式食餌を与えたマウスで同定したと述べています。
「それらマウスの血液を調べた結果分かったのは、“慢性炎症を持っておらず、彼らの血液中にこれらの細胞集団を持っていない(敗血症が認められない)患者よりも彼らを積極的に治療する必要がある”ということです」と彼女は述べています。

ネイピア助教授の研究室は先を見据えて、高脂肪食の特定の脂肪が免疫細胞機能に影響を与える可能性の有無について研究しています。
「それが、リプログラミングを行っている食事の脂肪であれば、ケトジェニックダイエット(ケトン食)またはアトキンスダイエットのような高脂肪の食事に適用されます」とネイピア助教授は言いました。

引用:(英語ニュース)
Western diet may increase risk of severe sepsis, death, study finds (Portland State University)

– 原著論文 “Western diet regulates immune status and the response to LPS-driven sepsis independent of diet-associated microbiome, PNAS, 2019″

Seigoの追記

ピザやハンバーガーなどを食べ過ぎていると敗血症で早死にすることもあるなんて、怖いですねー
食事は食物繊維の多い野菜などをもっと意識して脂肪や糖分を控えめにすると生活習慣病など多くの病気はぐっと減るでしょう。

ケトジェニックダイエットは果物や穀物、豆、お菓子などの炭水化物をすごく減らし、代わりに脂肪をとる食事法です。ガンやてんかんの痙攣に良いとされています。

アトキンスダイエットもアトキンス先生が提唱した糖質制限食の一つで、重い糖尿病のための食事療法です。でも早死にだとか危険性も言われているようです。

確かに高脂肪、高蛋白食というものは極端な感じではあります。
これらのダイエットにオメガ3などの良質の脂肪酸を増やすのはいいアイディアですね。
この記事でどんな種類の油かは言ってませんが、多分オメガ3なのでしょう。
オメガ6の多い植物油は炎症を起こしやすいですが、逆に魚の脂に多いオメガ3は抗炎症作用があることが知られています。
植物油は控えめに、魚やフラックスシードオイルなどオメガ3リッチな油は意識して摂るのがいいですね。サプリは気軽に摂れるのでオススメです。

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