生の牛乳のレビュー(日本語訳)

健康情報

アメリカで生の牛乳(ローミルク)のレビューを見つけましたので(学術論文の引用あり)、和訳してみました。
語学はそんなに得意じゃないですがなるべく正確に読みやすく書かせていただきました。
まずはこの記事の要約を記して、その後に和訳した本文を書きます。

この記事のもくじ

要約:
⭐️ ローミルクの良い点は子供の脳の発達に必要な脂溶性ビタミンが多くさらに抗癌作用もあり、アレルギーを軽減し、お肌の健康を促進し、骨密度を上げ、ホルモンバランスを良くし、必須ミネラルがとれ、ビタミンやカルシウムの濃度が高く、ストレス耐性をもたらす短鎖脂肪酸も多く、抗炎症作用の高いオメガ3脂肪酸もとれることである。
⭐️ 現在、一千万以上のアメリカ人が毎日ローミルクを飲む主な理由:健康な皮膚、髪、爪の回復、免疫システムの強化、アレルギーの軽減、高い骨密度、神経系のサポート、体重の減少、質の良い筋肉を作る、より良い消化などである。
⭐️  一方、市販のミルクは低温殺菌されているのでビタミンCが75%減り、抗酸化物質が約55~60%活性が落ち、ビタミンB2は48%まで減る。さらにその殺菌効果で必須ミネラルや電解質(カルシウム、マグネシウム、カリウム)が非常に多く失われ、脂溶性ビタミンも少ない。
⭐️ 市販のミルクはさらに悪いことに、牛乳を均質化するためにホモジナイズという工程がある(機械により脂肪を小さい分子へと壊す圧力の工程。脂肪は高熱と圧力にさらされ酸化し変敗する)。その後ミルクのテクスチャーが悪くなるので増粘剤を入れる。さらに味を良くするため、砂糖や人工甘味料の添加物を加える。

 

「ローミルクはお肌とアレルギーと免疫に良い効果をもつ」

https://draxe.com/raw-milk-benefits/

もしローミルクを飲むのが危険だと言われていたなら、ミスリードされ続けたことを知って驚くかもしれません。ローミルクの真実とは? ローミルクの危険性に関する FDA CDC によって為された研究における包括的な調査やクレームが完全に不当であることがわかりました。それは体に実はいろんなベネフィットがあり、多少は危険であるという評判はあったにせよ、ローミルクのベネフィットは感動的なので、この驚きのスーパーフードが与えてくれるものを一つも見逃すべきではありません。

ローミルクって正確にはどういうものでしょう? それは牧草で育てられた牛からの未殺菌でノンホモジナイズ(撹拌による均質化)の牛乳のことです。これはローミルクは自然の酵素、脂肪酸、ビタミン、ミネラル、いわゆる完全食品といわれておりすべての要素をもっていることを意味します。

しかし細菌(体に悪い菌)を摂取するという危険だけからローミルクを飲むことが問題になるでしょうか? このリスクはとってもとっても低いのです。実際、医学研究者の Dr. Ted Beals, M.Dによればローミルク由来のものより他の食品からくる病気のほうが3万5千倍多いのです。(1) CDC は毎年食べ物に起因する病気は推定4千8百万あると報告しています。そのうちたったの42例(約0.0005%!)しかローミルクによるものはないのです。(2)

おわかりのように、ローミルクに対するほとんどの非難と懸念は誇張されていて、それゆえその健康的な効果は過小評価されているのです。ローミルクのベネフィットは非常に多く、何百万人もの特に普通のアメリカの食事をしている人々が経験している多くの栄養不足に対処することができます。例えば、ローミルクはアレルギーやお肌によく、安全に栄養をとることができます

5 ローミルクのベネフィット

1. アレルギーの軽減

研究によればローミルクを飲んている子供の50%は飲まない子供と比べてアレルギーになりにくく、41%の子供は喘息になりにくいという報告があります。(3) Journal of Allergy and Clinical Immunology  出版された論文は8000人の様々な食生活の子供が対象で、研究者の結論の1つとしてローミルクを飲むことで子供は自然の免疫が上がったとあります。(4) Real Milk website の文書に過去100年で為された多くの研究がローミルクが子供の成長や発達をサポートしており、例えば細菌感染に対する免疫の増強、歯の健康を促す、骨の成長を促すなどを網羅する研究がなされています。(5)

不思議に思うでしょう。ローミルクはどうしてアレルギーを軽減し不耐症や過敏症になりやすい乳製品では無いのでしょうか?ローミルク中に存在する善玉菌、ビタミンD、免疫グロブリン(抗体)のような栄養素が自然に免疫システムを強化し子供や大人のアレルギーのリスクを減らします。ローミルク中の酵素が消化を助けますが殺菌過程でしばしば破壊されたり減ったりしてラクトース不耐症をもたらしてしまいます。

2. お肌の健康を保つ

乳製品はニキビやお肌の炎症を引き起こしたり悪化させるといった悪い評判がありましたが、ローミルクに限ってはその真実から程遠いのです。ご存知のようにローミルクのベネフィットは数知れないですが、驚くことに人々がローミルクを飲みたがる理由の最たるものがお肌への効果です。ローミルクを飲んで乾癬、湿疹、ニキビのようなお肌のトラブルが良くなったという例は多く報告されています。

お肌のベネフィットは以下の通りです

質の良い脂肪酸を含む:体に良い飽和脂肪酸やオメガ3脂肪酸を含むのでお肌の潤いをサポートします。実際ある人々は飲むだけでなく保湿剤としてお肌に塗ります。昨今やぎ乳石鹸がヨーロッパで人気があり、大抵アメリカでも人気が出て来るでしょうし、ローミルクで自家製フェイスクリームの作り方もインターネットでたくさん見かけます。

・善玉菌を供給する:ローミルクの善玉菌は腸の悪玉菌を殺しバランスを良くするので劇的にお肌の状態を良くできます。炎症と腸内細菌の悪いバランスがニキビや湿疹などのお肌の問題を起こすという研究もあります。

3. 栄養失調を防ぐ

USDA(アメリカ合衆国農務省)によると平均的なアメリカ人の食事(総2775カロリーから)の1日1000カロリーくらいが脂肪や砂糖や甘味料が入ってるものだそうです。比べて生の乳製品、フルーツ、野菜のような栄養豊富な食品はたった424カロリーくらいだそうです。(6) マグネシウム、カリウム、ビタミンA や K などの栄養不足がとても一般的である理由がおわかりでしょう。一回分のローミルクは約400mgのカルシウム、50mgマグネシウム、500mgのカリウムを含みます。(7) これらのミネラルは細胞の機能、保湿、骨密度、血流、解毒、筋肉の健康や代謝にとって生体的に重要なのです。しかし多くの子供や大人はこの3つのミネラルは不足して、特に問題となっているのは塩分過剰です。

4. 発酵食品を作るのに使える 

善玉菌は腸を満たし栄養の吸収を助ける微生物です。また大腸菌や寄生虫のような侵入者から身を守る助けもします。善玉菌を摂る一番良い方法は何千年にも渡って健康的な民族(有名なブルーゾーンホームと呼ばれる人々イタリア・サルジニア、ギリシャ・イカリア、沖縄、コスタリカ・ニコヤ、カリフォルニア・ロマリンダ)が食べ続けているチーズやケフィアや有機発酵ヨーグルトなど自然な形でローミルクの製品を摂ることです。

発酵食品が効くと知られている病気:

・大腸ガン
・下痢
・腸の炎症
・腸の感染
・過敏性大腸症候群
・肌の感染症
・免疫低下症
・泌尿器感染症
・カンジタ膣炎

5. 砂糖や化学物質は含まれていない

一般のミルクは殺菌と通常ホモジナイズという工程を経ます。ホモジナイズは脂肪を小さい分子へと壊す圧力の工程だが脂肪は高熱と圧力にさらされ酸化し変性します。低脂肪乳製品の多くも悪いテクスチャーをよくするために増粘剤を加えてあるので癌のような炎症系の病気にかかりやすくなる可能性があります。ローミルクは増粘剤も安定剤も糖もフレーバーも加えていません。

ほとんどの食べ物は乳糖と言われるタイプの入った乳製品も含めてある程度の自然の糖を含んでいます。乳製品の自然の糖は他の栄養素とバランスがあるので問題にはなりません。(あなたにとって適度にヘルシーでさえある)けれども今や多くの乳製品は味をよくするために余分な砂糖や人工甘味料などの添加物がいくつか含まれています。砂糖はいろんな種類(例えばケーンジュース、コーンスイートナー、デキストロース、フルクトース、ハイフルクトースコーンシロップ)を使っており、多すぎれば体に悪く必要のないものです。

ローミルク成分表

ローミルクは本当に世界で一番栄養豊富な食べ物の1つであり他の食べ物と違った栄養的側面を持ちます。ネガティブな報道であなたがローミルクを飲むことに昔は注意深かったのは理解できますが、なぜ毎日ローミルクを飲む人が増えているかひとたび学べば気持ちが変わると確信しています。一千万以上のアメリカ人が毎日ローミルクを飲んでいる主な理由のいくつかは:

・健康な皮膚、髪、爪
・栄養吸収
・より強化できる免疫システム
・アレルギーの軽減
・高い骨密度
・神経系のサポート
・体重の減少
・質の良い筋肉を作る
・より良い消化

実際には何がそんなにローミルクを信じられないスーパーフードにしているのでしょう。その特異的な栄養的側面を見てみましょう、そうすればはっきりします。

ローミルクの栄養的側面
脂溶性ビタミンA、D、K2

ローミルクは牧草で育った牛やヤギの乳なので工場式農場で育った牛からの牛乳よりも高いレベルの心臓に良く抗癌作用のある脂溶性ビタミンが含まれているという研究があります。(8) 研究では子供の一番欠乏しやすいものは脂溶性ビタミンだと言われています。これらのビタミンは脳や神経系をサポートし脳の発達や集中力、そして機能に極めて重要です。脂溶性ビタミンはまた骨密度や自然なホルモンバランスをサポートしますが、熱殺菌により劇的に減ってしまいます。(9)

短鎖脂肪酸、CLA、オメガ3

抗炎症作用の高いオメガ3脂肪酸のほかに牧草で育ったローミルクは炎症、遅い代謝、ストレス耐性に関する健康の問題をコントロールすると広く知られている短鎖脂肪酸の酪酸エステルを多く含みます。(10) 実際、日本の研究者のマウスの研究によると酪酸エステルはクローン病などの炎症性の腸の病気に治療的効果があるそうです。(11) 加えて牧草で育ったローミルクは共役リノール酸がたくさんあって、 Memorial Sloan Kettering Cancer Cancer によれば癌予防、健康なコレステロールレベル、体脂肪さえ減らすのに関係があるのです。(12)

必須ミネラル、電解質:カルシウム、マグネシウム、カリウム

ローミルクは多くの人が足りてないミネラル、電解質を最も多く含むものの一つです。残念なことにこれらのミネラルの非常に多くが高熱殺菌で失われてしまいます。(13)

乳清タンパク質と免疫グロブリン

ずば抜けて一番美味しい凝乳と乳清タンパク質はローミルクからきます。乳清タンパク質は脂肪を燃焼し良い筋肉を作ることを期待している人々に素晴らしい食材です。乳清は酵素とタンパク質(アミノ酸)が多く、α-ラクトアルブミン、β-ラクトブログリン、牛血清アルブミン、免疫ブログリンといった自然な免疫強化物質を得るのに一番良い方法です。

善玉菌:ケフィア、チーズ、ヨーグルト

善玉菌はローミルクの中には少ししか入っていませんが、発酵させてケフィアやチースやヨーグルトを作れば良いバクテリアがとても増えます。実際、自然の善玉菌が本当に多いのは発酵乳製品です。

これらはローミルクのベネフィットのほんの氷山の一角です。一つはっきりさせておきたいことは、ローミルクはただ牛からくるものではないということです。研究者はヤギと牛のミルクの比較研究を行なっていて、ヤギミルクは貧血、骨脱灰のような病気を時には牛のミルクよりも効果的に守ってくれると信じられる理由を発見しました。ヤギミルクは消化、鉄、カルシュウム、りん、マグネシウムなどのミネラルの代謝利用に特別な効果と関連しています。(14)

ローミルク 対 市販の牛乳

乳製品はずっといわれのない非難を受け続けてきましたが、実際ほとんどが加熱殺菌過程についてのことです。ミルクが加熱殺菌されると、ローミルクが持っている多くの栄養素を失ってしまいます。ではなぜ殺菌がそもそも行われるのでしょうか? なぜならとても高い温度をかけるので増える可能性のある悪玉菌を殺せるからです。けれども先ほど述べた通りこういったタイプの(悪玉菌)が最初にミルクに発見されるのは稀なことなのです。

カギとなる栄養素や酵素が殺菌工程ですごく減ってしまいます。もしあなたがこれらの多くの栄養素が減るだけでなく元の状態とは変わってしまうという事実を考慮するなら、これらの栄養素のいくつかは完全に体が使用できなかったり消化が大変困難になってしまうことが理解できると思います。

ビタミンBCも減ります。いろんな研究で低温殺菌で25%までビタミンCとともにB、鉄、カルシウムが減ってしまうことがわかっています。ミルクが売れるまで時には何週間もお店に置いてあることでさらに栄養は減ってしまうのです。(15) ビタミン C (アスコルビン酸)は殺菌で酸化されてでヒドロアスコルビン酸に変わり、自然のビタミンCと同じベネフィットがなくなってしまった不活性の壊れたビタミン C となってしまうことがわかりました。他の研究では他の製品の殺菌で全体的な抗酸化物質の約5560%活性が落ちてしまう、ビタミンB2が48%まで減ってしまうことがわかっています。(16、17)

アレルギーとラクトース不耐症は殺菌でより高くなります。他にも殺菌の主な悪い点はある栄養素を分解・吸収するのに必要とされる消化酵素を破壊してしまうことです。先ほど述べた研究で、研究者はラクトース(乳製品の中に存在する酵素)のレベルが殺菌で激減し、それが多くの人がラクトース不耐性になっているという一つの説明になっています。プライスファウンデーションのウェストン・Aによる700家族に対するアンケートで驚くことにラクトース不耐症と診断されたうちの80%がローミルクに変えたら症状がなくなったということです。

まとめると、ある医学的研究によると以下の栄養素が殺菌で破壊され変化します。



<一部内容を省略>

ローミルクを飲むにあたっての注意
何百万の人がローミルクは安全で美味しくいろんなベネフィットがあると証言してもCDCによるとバクテリア(Brucella, Listeria, Mycobacterium bovis)、サルモネラ、志賀毒素産生大腸菌、寄生虫、ウイルスなどによるローミルクの食中毒があったという過去の事例があるので常にリスクはあります。そのリスクは乳幼児、高齢者、妊婦、他の医学的な問題で免疫が弱っている人に大きいです。
ミルクに含まれている栄養素、ミネラルの量は育てられた場所、土の質、地理的な位置、牛の種類、健康、新鮮度などの条件で違ってくることを踏まえて置いてください。信用できる販売者から購入し、顧客のレビューを読み、ローカルのファーマーズマーケットでお勧めの保存法を尋ね、冷蔵庫に保管し、最も安全な範囲で使い切りましょう。

引用文献

(1) TED BEALS: http://www.realmilk.com/bios/ted-beals/

(2) Raw Milk Questions and Answers: https://www.cdc.gov/foodsafety/rawmilk/raw-milk-questions-and-answers.html#history

(3) The protective effect of farm milk consumption on childhood asthma and atopy: The GABRIELA study American Academy of Allergy, Asthma & Immunology, October 2011 Volume 128, Issue 4, Pages 766–733: http://www.jacionline.org/article/S0091-6749(11)01234-6/abstract

(4) A systematic review and meta-analysis of the effects of pasteurization on milk vitamins, and evidence for raw milk consumption and other health-related outcomes.J Food Prot. 2011 Nov;74(11):1814-32: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22054181

(5) ABSTRACTS ON THE EFFECT OF PASTEURIZATION ON THE NUTRITIONAL VALUE OF MILK: http://www.realmilk.com/health/abstracts-on-the-effect-of-pasteurization/

(6) http://www.ers.usda.gov/media/1188540/food-availability_fig04.png

(7) What’s in Raw Milk? : http://www.raw-milk-facts.com/what_is_in_raw_milk.html

(8) Increased concentrations of omega-3 fatty acids in milk and platelet rich plasma of grass-fed cows. Int J Vitam Nutr Res. 1993;63(3):229-33.: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7905466

(9) Influence of thermal and other manufacturing stresses on retinol isomerization in milk and dairy products. The Journal of Dairy Research [01 May 1998, 65(2):253-260]: http://europepmc.org/abstract/med/9627844

(10) Butyric Acid: an Ancient Controller of Metabolism, Inflammation and Stress Resistance? http://wholehealthsource.blogspot.jp/2009/12/butyric-acid-ancient-controller-of.html

(11) Gut bacteria’s fatty acid boosts immune system, reducing inflammation.:  https://www.medicalnewstoday.com/articles/268786.php

(12) Medical News Today:  Conjugated Linoleic Acid: https://www.mskcc.org/cancer-care/integrative-medicine/herbs/conjugated-linoleic-acid

(13) Effect of processing on contents and relationships of mineral elements of milk: https://scholar.google.com/citations?view_op=view_citation&hl=sv&user=ifc-140AAAAJ&citation_for_view=ifc-140AAAAJ:ULOm3_A8WrAC

(14) Goats’ Milk Is More Beneficial To Health Than Cows’ Milk, Study Suggests.: https://www.sciencedaily.com/releases/2007/07/070730100229.htm

(15) http://scidoc.org/articlepdfs/IJDSP/IJDSP-2379-1578-01-201.pdf

(16) Effect of pasteurization and storage on bioactive components of Aloe vera gel.:  http://www.emeraldinsight.com/doi/abs/10.1108/00346651311313553

(17) An Assessment of the Effects of Pasteurisation on Claimed Nutrition and Health Benefits of Raw Milk.:  http://www.foodsafety.govt.nz/elibrary/industry/2014-13-Assessment-of-effects-of-Pasteurisation-on-Claimed-Nutrition-and-Health-Benefits-of-Raw-Milk.pdf


レビューは以上です。
長い文章を読んで下さりありがとうございました。
それでは、ローミルクを飲んでますます元気なってしまいましょう!

Seigo

生の牛乳は最高!(無料写真素材:Couleur / Pixabay )

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