白米を1日に2杯以上食べると糖尿病のリスクが上がることが疫学調査で判明【日本人データあり】

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炭水化物を減らす方向に世間で動きが出ているようですが、今回は科学的データーをもとに分析している記事がありましたので、ご紹介したいと思います。

この記事は4ページありますので、忙しいのために要約してみましてみました。


最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ(東洋経済 ONLINE、2018年04月13日)

厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」では「ごはん」をお茶碗で1日3~5杯食べることが推奨されています。

しかし膨大な研究論文から科学的根拠に基づいて分析してみると、白米1日2~3杯でもすでに糖尿病のリスクが上がり始める可能性があるそうです。

精製してない炭水化物(玄米や全粒粉)の健康効果

巷では「糖質制限ダイエット」が流行っていますが、やみくもに炭水化物を減らすのは実はミスリーディングです。

「健康に良い炭水化物」と「健康に悪い炭水化物」があるからです。

精白されたものや(砂糖など)、精米されたもの(普通のお米)は血糖値を急激に上げ、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による病気が起こるリスクを高める可能性があることが、数多くの研究から報告されています。

その一方で精白してない玄米のような食材の多くは食物繊維や栄養成分を豊富に含み、複数の研究で肥満や動脈硬化のリスクをむしろ下げると報告されています。

つまりすべての炭水化物が悪者なのではなく、炭水化物を精製して食べるかで効果が変わるのです。

精製した炭水化物(白米など)をたべると死亡率が22%上昇

アメリカ、英国、北欧の国々で行われた研究を統合した78万6000人のデータを用いて、炭水化物の摂取量と死亡率の関係を評価したメタアナリシス(複数の研究結果をとりまとめることで一つひとつの研究では認められない関係性を明らかにする研究手法)によりますと、1日70gの精製してない炭水化物を摂取したグループは、精製した炭水化物をほとんど食べないグループと比べて死亡率が22%低かったのです。

心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化にかかる率が21%減る

炭水化物と心筋梗塞や脳梗塞の関係を見た(7つの研究を統合した)別のメタアナリシスによると、精製してない炭水化物の摂取量が多いグループ(1日2.5単位以上摂取)は、摂取量が少ないグループ(週に2単位未満)と比べて心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気になるリスクが21%低かった。

糖尿病にかかる率が11%低い

玄米を多く食べる人たち(週に200g以上摂取)は、玄米をほとんど食べない人たち(摂取量が月に100g未満)と比べて糖尿病になるリスクが11%低かった。
この研究によると、1日50gの白米を玄米に置き換えることで糖尿病のリスクを36%下げることができると推定された。

ダイエット効果もあり8年間で平均1.1kg減少する

アメリカで行われた研究によりますと、精製してない炭水化物の摂取量が1日あたり40g増えるごとに、8年間での体重増加が1.1㎏減ることが明らかになりました。複数の研究において、精製してない炭水化物の摂取量が多い人ほどBMIが小さく、腹囲が細いことも示されています。

大腸の働きを良くする

便秘を予防する働きや、憩室炎(けいしつえん)という大腸に炎症を起こす病気を予防する効果があるとも言われています。

注意事項
⭐️ スーパーやコンビニで手にする商品の中には「全粒粉」と書いてあっても実は全粒粉が少ししか含まれていないものがあり、ほとんどが精製された小麦粉という商品があります。食品の原材料には重量の割合の高い順に表示されておりますので、できるだけ全粒粉の割合の高いものを選ぶびましょう。

⭐️ ソバも小麦粉が入っている場合が多いので「十割蕎麦(じゅうわりそば)や二八蕎麦(にはちそば)」を選びましょう。

「白米は食べすぎなければ大丈夫」はウソ! 実は少量でも体に悪い《日本人のデータ》

白米は体に悪いという話をするとしばしば「日本人では違うはずだ」という話になります。
それでは、日本人のデータも見てみましょう。
上記の論文でもデータの中の1つとして用いられておりますが、2010年に権威あるアメリカ栄養学会の学会誌に、国立国際医療研究センターの南里明子氏(現在の所属は福岡女子大学)らが調べた日本人のデータを用いた研究が掲載されました。

日本男性は白米を1日2杯以上食べると糖尿病になるリスクが上がる

論文では、男性では白米を食べる量が(ごはん1杯160g換算で)1日2杯以下のグループと比べて、1日2~3杯食べるグループでは5年以内に糖尿病になるリスクが24%高いことが明らかになりました。

日本女性は白米を1日2杯以下でも糖尿病になるリスクが上昇

白米を1日1杯しか食べないグループに比べて(最も少ないグループの白米摂取量が男女で違うので注意が必要)、1日2杯食べるグループでは15%、3杯食べるグループでは48%、4杯食べるグループでは65%も糖尿病になるリスクが高くなることがわかりました。

白米を食べても1日1時間以上の激しい運動をすれば糖尿病のリスクは上昇しない

1日1時間以上の筋肉労働や激しいスポーツをする人に関しては、統計的に有意な関係が見られませんでした。これらのことを踏まえると「白米を食べる量が多い人ほど、糖尿病になってしまう確率が高くなっている傾向にある」程度のざっくりとした理解にとどめるのが無難でしょう。

個人(津川友介先生)的には白米の摂取量と糖尿病のリスクとの間には正の相関がありますので、減らせるのだったらできるだけ少ない摂取量のほうがいいと考えます。
さらには糖尿病の家族歴があると糖尿病になる確率はさらに高くなりますので、少しでもリスクを下げるためにもできるだけ白米を含む白い炭水化物は減らしたほうがいいでしょう。

米の摂取量を減らしたらお腹が空いてしまう?

炭水化物の摂取を減らすために、ただ単に食事の量を減らすことはおすすめしません。
白米の代わりに、玄米にするというのは最もシンプルな置き換え術でしょう。
その他の方法として、お米の代わりに大皿一杯のサラダを主食だとイメージしたらどうでしょうか。
魚や肉(タンパク質)がおかず、サラダを主食にしてみましょう。
この食事スタイルだと白米の摂取量をコントロールすることがだいぶ楽になると思われます。

引用:『最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ』
津川 友介 : カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)助教授
《東洋経済 ONLINE》
https://toyokeizai.net/articles/-/215982

Seigo の追記

データの母集団の量がすごいですね。78万6000人分のデータを用いて解析したそうです。こういうのを「コホート研究」(英語: cohort study)というそうで、分析疫学における手法の1つで、特定の要因に曝露した集団としていない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究ということです。

戦後の日本ではほとんどの人が白米を食べて過ごしてきました。パンも朝や給食に食べることが多くなりましたが、やはり力を出すにはご飯を食べるのが日本人の常識です。
言い方を変えれば、日本人は白米を食べて世界で一番長寿になったのも事実です。
白米は日本人にとって大切な食材ですが、寿命が延びるにつれ様々な病気が発生することが分かってきました。
来年から平成も終わり新しい時代に入ります。
日本人は白米から玄米へ変わることができるのでしょうか。
そうなると炊飯器からすべてシステムを改良する必要が出てくるでしょう。

|  玄米のデメリットをしっかり知ることが大切

このサイトでも玄米を勧めておりますが、病気にならないためというより健康維持のために抜群に素晴らしい食材です。
さらに玄米の表面には自然の乳酸菌が付着しているので発酵させるときにい種菌がいらないというメリットがありました。

しかし玄米を勧める場合「消化不良を起こすデメリット」や「フィチン酸による害」もちゃんとお伝えしていかないといけません。

このサイトではどうやったら玄米を食べやすくできるか、またはフィチン酸をどうやったら減らせるかなど書いておりますので参考にして頂ければ幸いです。


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それでは、日本の主食である「お米」の良い所を最大限に生かして、ますます健康になってしまいましょう!

Seigo

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